2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24792233
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松村 香織 九州大学, 大学病院, その他 (20615794)
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Keywords | 口唇裂口蓋裂 / 口蓋突起挙上 / 網羅的遺伝子発現解析 |
Research Abstract |
口唇裂・口蓋裂は口唇、歯槽部、口蓋などの口腔顎顔面領域に裂を生じる先天異常である。口唇裂治療は乳児期の口唇形成術で終了するのに対し、口蓋裂治療は幼児期の口蓋形成術より学童期の言語治療および矯正治療まで一貫した長期にわたる治療が必要である。現在の治療の主体は外科的治療であり、未だに根本的解決法が存在しない。その原因の一つとして口蓋裂発生時の分子メカニズムが解明されていないことが挙げられる。過去に我々は Sprouty2 が口蓋形成時に重要な役割を果たし口蓋間葉細胞に作用して口蓋挙上に関与していることを解明した。しかしながら Sprouty2 はどのような分子シグナリングを介して口蓋癒合に関与しているのか、口蓋裂発生の分子メカニズムの解明はいまだ不十分である。そこで、口蓋癒合に関与する遺伝子のスクリーニングを行うため網羅的遺伝子発現解析を行った。野生型マウスの癒合前口蓋および癒合後口蓋を用いて、口蓋組織より採取したRNA を用いてDNA マイクロアレイを行った。クラスタリング施行後、口蓋突起挙上前後で発現増加した遺伝子群の Gene ontology 解析を行ったところ、Cell adhesion、Reguration of cell proliferation 等の遺伝子群が発現上昇していた。さらに、口蓋由来間葉細胞において、FGF シグナルを介した MAPK (pERK1/2) は siRNA Sprouty2 群にて増強されるが、EGF 刺激下においては変化しないことを発見した。マイクロアレイによる解析においても FGF シグナリングが口蓋癒合時に特徴的に働いているという知見を得た。以上の結果より、口蓋形成期の間葉細胞においてSprouty2 が FGF シグナリングを特異的に抑制し、MAPK の調整を行っている可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] Microarray analysis of global gene expression2013
Author(s)
Kaori Matsumura, Masaaki Sasaguri, Takeshi Mitsuyasu, Shinsaku Arai, Tomomi Tsujiguchi, Seiji Nakamura
Organizer
12th International Congress on Cleft Lip/Palate and Related Craniofacial Anomalies
Place of Presentation
アメリカ合衆国 フロリダ州
Year and Date
20130505-20130510
Invited