2012 Fiscal Year Research-status Report
骨再生開始起点である血管新生とCCN3の相互関係の解析
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24792235
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
南里 篤太郎 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (50529807)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 国際情報交換 |
Research Abstract |
CCN3/NOVはCCNファミリーに属する分泌性因子で、種々の細胞の増殖、分化に関与している。本申請者はこれまで、CCN3が骨芽細胞、破骨細胞に対し、いずれの分化も制御、調整しているコントロール因子であることを突き止めた。骨再生には細胞や成長因子を供給するための積極的な血管新生が不可欠なため、組織修復部位でのBMDC、中でも血管内皮細胞へ高確率で分化するCD34陽性細胞による細胞治療の可能性が示唆され、また、そのBMDCは骨組織と骨髄の境界領域に高頻度に存在し、骨芽細胞との接触が幹細胞の維持に重要と考えられているが、それらに関する研究は未だ十分といえない。そこで、①骨再生を含めた組織再生には、過度の再生を抑制する制御因子の存在が重要で、今までの本申請者の研究により、CCN3が骨再生時の骨芽細胞と破骨細胞の重要な制御因子であることが突き止められたこと、②CCN3は血管内皮前駆細胞と発生的共通性を有する造血幹細胞を未分化な状態に維持していること(Science, 316, 2007)、③その造血幹細胞の維持、増殖に重要な微小環境、いわゆるニッチを血管内皮細胞が形成していること(Cell, 121, 2005)から、骨再生の開始起点で、その後の組織再生因子の供給路となる血管新生に対しても、CCN3が直接的に関与、とりわけ抑制的な働きをしていると考えられる。 開始初年度は骨代謝におけるCCN3の役割をさらに探求するため、In vivo ならびにIn vitro の実験を推し進めた結果、共同研究者とともにJournal of Biological Chemistry に論文投稿を行っている。また、これらの研究のなかで、当初の目的である組織再生時のCCN3の役割、特に血管新生との関係に関して、新たな知見を得たことから、それらの結果を踏まえて、平成25年度の実験を行う予定としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
開始初年度は骨代謝におけるCCN3の役割をさらに探求するため、In vivo ならびにIn vitro の実験を推し進めた結果、共同研究者とともにJournal of Biological Chemistry に論文投稿を行ったが、これらの研究のなかで、当初の目的である組織再生時のCCN3の役割、特に血管新生との関係に関して、新たな知見を得たことから、それらの結果を踏まえて、平成25年度の実験を行う予定としている。現在、CD34陽性細胞の抽出、培養条件の設定に若干苦慮しているが、それらは近日中に解決可能と予想している。全体的な実験計画としては、おおむね順調と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
おおむね、研究調書に沿って実験は進行しているものと思われるため、平成25年度も予定通りに実験を行う予定としている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
おおむね、研究調書に沿って実験は進行しているものであり、平成25年度も予定通りに研究費を使用し、実験を着実に行う予定としている。
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Research Products
(1 results)