2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24792245
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
柳生 貴裕 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (00555550)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 乳歯由来間葉系幹細胞 / 培養骨 |
Research Abstract |
乳歯由来間葉系幹細胞(乳歯MSC)を使用し、培養骨の作製方法について検討を行った。 ヒト骨髄由来間葉系幹細胞を用いた培養骨の報告を参考にして、乳歯MSCを使用した144通りの培養骨を考案した。9サンプルの乳歯MSCを使用し、1サンプルあたり16通りの培養骨を作製した。各サンプルに対しin vitroにおける骨形成能の高い1通りの作製方法を選ぶことで、9通りの作製方法を選抜した(計画では16サンプルを使用し16通りに選抜するとしていたが、項目の組み合わせによる検討しやすさを考え、9サンプルから9通りに選抜とした)。 検討項目は①乳歯MSCを骨芽細胞に分化誘導させるために添加する3種類の薬剤(デキサメタゾン、β三リン酸、アスコルビン酸)の最適濃度、②乳歯MSCをリン酸カルシウムと複合化させるために培養する最適期間、③乳歯MSCが接着し骨芽細胞へ分化しやすいリン酸カルシウム粒径の最適な大きさ、④リン酸カルシウム100㎎に対して導入する乳歯MSCの最適な細胞数とした。 ③と④の組み合わせ9通りに対して、①と②の項目から選抜したところ全てのサンプルにおいて、デキサメタゾン濃度は100nM、β三リン酸濃度は10mM、アスコルビン酸濃度は0.28mM、培養期間は2週間で培養した場合に最も高いALP活性、カルセイン取り込みが見られた。 よって、次のステップとして、今回選抜した9通りの作製方法で、1サンプルの乳歯MSCより培養骨を作製し、ヌードラット背部皮下へ移植し評価することで、最も骨形成能の高い培養骨の作製方法を決定する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以前我々が採取した乳歯MSCのサンプルは、産業技術総合研究所にて凍結保存していたのだが、それらのサンプルを奈良県立医科大学へ移管するにあたり各種書類手続きが複雑であったこと、移管する細胞が膨大な量であったことより、実験のスタートまでに時間がかかった。 また、長期間にわたり凍結保存していたサンプルであるため、細胞が順調に増殖しないものもみられ、再度作製せざるを得ない状況も数例でみられた。そのため、in vitroでの培養骨評価まで行い、初年度は終了した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、乳歯MSCを使用した培養骨作製において、2段階目の選抜を行っている。ヌードラットの皮下へ培養骨を移植し、in vivoでの評価を行う予定である。 培養骨の作製方法を決定することができたら、ヌードラットによる”先天性骨癒合不全モデル”に対して、培養骨を移植する予定である。移植後1、2、6、12、18、24ヶ月目に下顎骨を摘出し、下顎骨の”先天性骨癒合不全”部位に骨形成がおこり癒合すること(同所性in vivoでの有効性)、および癌化や拒絶反応が引き起こされないこと(安全性)を組織学的、およびマイクロCTを用いたX線学的に検証を行う。 形成された骨組織については、ヒト特異的Alu配列を利用したin situハイブリダイゼーション法およびPCR法による由来解析を行う。また、培養骨移植による下顎骨の成長への影響の有無を検証するため、移植後の大腿骨長径および体重の増加率と、下顎骨の成長率との相関性を、コントロールと比較する。コントロールは、リン酸カルシウム単独群、非移植群である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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