2013 Fiscal Year Research-status Report
経時的データの重ね合わせを可能とする顔面骨格表面形状に基づく空間基準座標系の構築
Project/Area Number |
24792248
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
辻 祥之 北海道医療大学, 歯学部, 助教 (70372878)
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Keywords | 座標系 / 正中矢状平面 / 三次元画像診断 / 外科シミュレーション |
Research Abstract |
申請者は顎顔面における奇形,変形および損傷において,三次元的に顎・顔面形態の術前後の診断,成長や治療による解剖学的変化の観察や標準化した患者モデルとの形態学的比較,定量的分析を行うため,空間的基準座標系の設定方法を研究している. 前年度までの研究結果から人体における表面形状を参考に正中矢状平面を抽出する方法(表面形状基準法)は再現性が高いことが示された.本年度は顎矯正手術の術前シミュレーションに用いてきた三次元仮想患者モデルを対象に,表面形状基準法に標点設定法を追加した方法で空間的基準座標系を設定し,検者内誤差と検者間誤差,検者内誤差の対象間変動を検討した.本研究では空間的基準座標系の設定に先立ち,仮想患者モデルに6か所の参照点を配置し,その座標値から各誤差を計算した. 結果:1体の仮想患者モデルを対象に申請者が10回設定した検者内誤差は,各参照点における座標値の誤差は95%信頼限界において平均0.20mm,10人の設定者による検者間誤差は95%信頼限界において平均0.22mmであった.5体の仮想患者モデルに対し申請者が10回ずつ設定した検者内誤差の対象間変動は95%信頼限界において平均0.18mm~0.22mmであった. これら3つの誤差の大きさから,本研究における空間的基準座標系の再現性は高いことが示された.次年度は,成長や治療による解剖学的変化の観察に本研究の空間的基準座標系が用いられることを確認するため,CT撮像時期による空間的基準座標系の再現性を評価する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年の研究結果より、空間的基準座標系の設定方法の検者内誤差の対象間変動を検討するため,対象を顎矯正手術の術前シミュレーションに用いてきた三次元仮想患者モデルとしたことで, CT撮像回数を増やすための乾燥頭蓋骨を用いたファントムモデルを対象とする実験が遅延することになった.
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Strategy for Future Research Activity |
ファントムモデルを対象とすることでCT撮像回数を増やす.これにより各参照点をゴールドスタンダードとすることが可能となった三次元仮想モデルを対象に再現性の検討を行う.また今年度は座標値の再現性の検討に95%棄却楕円体の体積を計算することが可能となったことから,より客観的な数値による再現性の検証を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究成果発表の遅れによる。 研究成果発表に伴う学会発表の旅費、外国語論文の校閲,印刷費として使用予定
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Research Products
(5 results)