2013 Fiscal Year Research-status Report
口腔癌の上皮間葉移行に伴うエピジェネティックな変化を指標とした新規治標的の検索
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24792255
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
葭葉 清香 昭和大学, 歯学部, 助教 (60555358)
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Keywords | 口腔癌 / 上皮間葉移行 / エピジェネティクス |
Research Abstract |
悪性腫瘍の治療成績は、医療技術の発展、癌に対する臨床的・基礎的研究の進歩により飛躍的に進歩し、早期発見・早期治療がなされればその予後は良好なものとなる。そこで、今回我々は癌の背景粘膜の段階から蓄積される口腔癌のエピジェネティックな異常に着目し、分子レベルでの口腔癌の超早期診断マーカーを確立する事を目的とする。つまり、①種々の外部環境刺激に誘発される異常メチル化遺伝子の比較、②担癌患者と非担癌患者の口腔粘膜におけるメチル化の比較、③候補遺伝子の機能解析、④候補遺伝子の超早期診断マーカーとしての有用性の検討を行う。これらの解析から口腔癌の発癌過程に伴い誘発されるエピジェネティックな異常と、癌リスクマーカーの確立を図る。上記の研究目的に従って平成25年度は、上皮間葉移行誘導前、後における網羅的メチル化の解析を行った。すなわち、pre-EMT細胞、post-EMT細胞より、DNAを抽出し、HumanMethylation27 BeadChip (Illumina社)を用いて網羅的なDNAメチル化の解析を行った。網羅的DNAメチル化解析より、上皮間葉移行に伴う異常メチル化候補遺伝子を抽出した。さらに、pre-EMT細胞、post-EMT細胞より、RNAを抽出し異常メチル化候補遺伝子の遺伝子発現を解析した。メチル化解析と、遺伝子発現解析から得られた結果を統合し、上皮間葉誘導に伴い高頻度にメチル化の変化を受ける遺伝子の同定を行い、DAVID website (http://niaid.abcc.ncifcrf.gov/summary.jsp)を用いて異常メチル化候補遺伝子の分子生物学的機能について解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
網羅的メチル化解析にあたり、pre-EMT細胞、post-EMT細胞より、DNAを抽出するのに時間がかかったため。DAVID website(http://niaid.abcc.ncifcrf.gov/summary.jsp)を用いた異常メチル化候補遺伝子の抽出に時間がかかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、1)異常メチル化候補遺伝子のバリデーションを行う。方法として、候補遺伝子のメチル化についてBisulfite-sequencing法を用いて結果の検証を行う。解析結果がHumanMethylation27 BeadChipにおける解析結果を反映するものであるかを確認する。2) 候補遺伝子の機能解析を行う。方法として同定された候補遺伝子を口腔扁平上皮癌細胞株にレトロウイルスベクターを用いて強制発現させる。細胞増殖、抗癌剤 (5-FU、CDDP、タキソテール)に対する影響をMTTアッセイを用いて検討する。転移能については、Migration assayを用いて検討する。候補遺伝子の生物学的機能について意味付けする。 3) 研究の総括として得られた結果を学会にて成果発表し、論文作成を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
口腔扁平上皮癌細胞からDNAが抽出できなかったため次年度へ持ち越して研究するため 口腔扁平上皮癌細胞からDNAを抽出する方法を工夫し研究を進めていく。
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