2013 Fiscal Year Annual Research Report
エピゲノムからみた顎顔面領域の先天性疾患~ヒストンメチル化酵素の役割~
Project/Area Number |
24792278
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
東堀 紀尚 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (50585221)
|
Keywords | ヒストンメチル化酵素 / エピジェネティック / 口蓋裂 |
Research Abstract |
ヒストンメチル化酵素であるSETDB1を神経堤細胞由来の間葉組織にのみメチル化機能を喪失させたコンディショナルノックアウトマウス(SETDB1 CKO)の表現形解析を行った。昨年度までの結果より胎生致死という事がわかっており、今年度は逆上り胎児を採取し、切片を作製した。SETDB1の抗体を用い、神経堤細胞由来の組織にSETDB1がノックアウトされていることを組織免疫染色法によって確認した。顎顔面の形態はややSETDB1 CKOのほうが野生型に比べ小さかった。また、E13.5, E14.5, E15.5の組織切片より、SETDB1 CKOマウスでは、口蓋裂(100%)が発症していた。口蓋突起は、野生型に比べ明らかに小さかったが、口蓋突起のelevationには異常がみとめられなかった。口蓋が正常に癒合するには、増殖、アポトーシス、epithelial mesenchyme transitionが適切な時期に発生する必要がある。BrdUを取り込ませたSETDB1 CKOマウスの切片を用い、野生型と比較した所、増殖能が落ちていたことがわかった。また、SETDB1 CKOマウスの口蓋を採取、RNAを抽出後、口蓋裂に関与していると考えられているMsx1, Dlx5, Wnt signal等の遺伝子発現変化を定量的RT-PCRによって解析した。有意に増加減少する遺伝子はなく、RNAseq等のスクリーニングをするためサンプル調製を行っているところである。
|