2014 Fiscal Year Annual Research Report
変形性顎関節症におけるHIF-1とBMP-2の役割
Project/Area Number |
24792285
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
白倉 麻耶 広島大学, 医歯薬保健学研究院(医), 助教 (70549013)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | HIF-1α / BMP-2 / 機械刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに変形性顎関節症(TMJ-OA)は下顎頭への異常な負荷もしくは過剰な負荷が顎関節構成要素を障害する圧迫力となり、表層軟骨の変性や骨吸収を引き起こすことが報告されている。我々は、既に培養骨細胞への機械刺激がHIF-1αならびにBMPの発現増加を促すことを明らかにしている。 この機械刺激に注目し、TMJ-OAの発症・進行について明らかにするためマウスを用いて器官培養を行った。その際培養液にBMP-2を添加し、BMP-2の下顎頭軟骨部ならびに軟骨下骨への影響をμCTならびに組織学的に検討を行った。その結果μCTにて下顎頭部のBVF、BMCやBMDの増加傾向を認めた。一方Saffranin-OならびにTRAP染色を行ったところ、AggrecanはBMP-2添加の有無で有意な差は認められず、TRAP陽性細胞はBMP-2添加で減少する傾向を示した。また、下顎頭への咬合による機械的作用の検討を行うため、軟食・硬食による1ヶ月間の飼育後組織を摘出、リアルタイムRT-PCRにて分子生物学的検討を行った。その結果、すべての条件下でハウスキーピング遺伝子には差が認められなかったにもかかわらず、軟食群においてAggrecanやType2 collagen、Sox9などの軟骨に関する遺伝子、RanklやOpgなどの破骨細胞に関連する遺伝子、BspやWisp1、Type1 collagenなどの骨に関連する遺伝子発現のすべてが有意に抑制された。 そこで、機械的負荷の骨・軟骨細胞におけるHIF-1α発現への影響を詳細に検討するため、培養細胞を用いて負荷実験を行った。遠心にて各種培養細胞に負荷を与えたところ、骨芽細胞様細胞で負荷に比例してHIF-1α関連遺伝子の発現上昇傾向が認められた。特に肝細胞由来細胞にてその傾向は強く認められ、これは細胞密度に影響を受ける可能性が示唆された。また、逆に負荷を減少させる無重力条件下ではHIF-1αの発現が減少する傾向を示し、機械刺激とHIF-1αとの関連が強く示唆される結果となった。
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Research Products
(4 results)