2013 Fiscal Year Annual Research Report
抗ユビキチン化ペプチドを用いた骨格筋萎縮治療法の開発
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24792289
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
川合 暢彦 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (40437588)
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Keywords | 骨格筋萎縮 / ユビキチン-プロテアソーム経路 / IGF-1シグナル / Cbl-b / 機能性ペプチド |
Research Abstract |
本研究は、Cbl-b阻害ペプチドの投与実験により個体レベルでの筋萎縮回復を検討することで、本ペプチドによる筋萎縮治療法の有効性を確立することを目標とする。昨年度は、低栄養培養を行ったマウス筋芽細胞由来C2C12細胞に対しペプチド/アテロコラーゲン複合体を導入した結果、IRS-1の分解抑制と筋管細胞の萎縮抑制を明らかにした。そこで本年度は、本ペプチドによる筋萎縮抑制効果のメカニズムと、筋萎縮モデルマウスによる個体レベルでの筋萎縮抑制効果の検討を行った。 1.Cbl-b阻害ペプチドによる萎縮筋管細胞におけるIGF-1シグナル抑制の回復 24時間の低栄養刺激ののち細胞を回収し、AKTのリン酸化をウェスタンブロット法で解析した。また、免疫蛍光染色によりFoxo3の筋管細胞における局在を観察した。低栄養刺激によりAKTのリン酸化が有意に減少したが、Cbl-b阻害ペプチド添加群では認められなかった。また、萎縮状態の筋管では、Foxo3の核内移行が観察されたが、ペプチドを添加した筋管では認められなかった。以上の結果より、本ペプチドによる萎縮抑制がIGF-1シグナルの回復によるものであることが示された。 2.筋萎縮モデルマウスを用いたCbl-b阻害ペプチドによる個体レベルでの筋萎縮回復効果の検討 12週齢C57BL/6野生型マウスに対し、偽手術群、切除群、投与群を設定し、右側坐骨神経切除を行った。投与群では手術直後および3日ごとにペプチド/アテロコラーゲン複合体を前頚骨筋に筋肉内投与し、手術後9日後にそれぞれの群の筋を摘出した。坐骨神経切除実施9日後、切除群の筋線維は萎縮していたが、投与群では健全な組織像を認め、萎縮に対し抑制傾向を示した。 本研究結果より、アテロコラーゲンをデリバリー担体としたCbl-b阻害ペプチドの適用は筋萎縮を抑制することが示唆された。
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Research Products
(3 results)