2013 Fiscal Year Annual Research Report
軟食化が顎口腔機能の発達に及ぼす影響-マウスモデルを用いた咀嚼・嚥下機能解析
Project/Area Number |
24792296
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
内海 大 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (80622604)
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Keywords | 咀嚼 / 発育 / 機能 / 成長 |
Research Abstract |
生後21日のオスICRマウス36匹を2グループに分類し、13匹は通常の固形ペレットにより飼育(hard diet group)、23匹は咀嚼機能発達の低下モデルとするためペレットを粉末化した軟食で飼育し、15週後、粉末飼料飼育マウスをさらに2グループに分類;1つは粉末飼育を継続(hypofunctional group)、もう1つは咀嚼機能リハビリテーションの目的で5週間、通常の固形飼育に切り替えた(rehabilitation group)。各群とも20週齢時に顎運動および筋活動記録を行い、固形飼料および軟性飼料咀嚼を計測し、各群間の咀嚼運動軌跡、咬筋、顎二腹筋の筋活動を比較検討した。検定は3群間の有意差の決定にone-way ANOVA、 食品間の比較にPaired t-testを行い、P<0.05を有意差ありとした。 飼育中、体重は各群間に有意差を認めなかった。咀嚼運動ならびに筋活動については、軟性飼料咀嚼時は各群に差異を認めなかったが、固形飼料咀嚼時にhypofunctional groupとrehabilitation groupにおいて、hard diet groupとの間に特徴的な差異を認めた。 ①閉口相内Late-closing phaseでの、運動距離ならびに運動時間の短縮②1咀嚼あたりの時間(total cycle length)の短縮③咀嚼回数の増加④hypofunctional groupとrehabilitation groupでは固形飼料咀嚼時と軟性飼料咀嚼時とで咬筋活動差の減少 上記の結果より、軟性飼料飼育により、固いものを噛み「食べ分ける」正常な咀嚼機能を獲得できないことがわかり、成長期以後において後天的に機能獲得することが困難であることがわかった。また、正常咀嚼機能獲得には臨界期が存在することが示唆された。
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Research Products
(5 results)