2012 Fiscal Year Research-status Report
バイオガラス含有ブラケット用接着材料のもたらすエナメル質再石灰化能
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24792300
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
甲田 尚央 北海道医療大学, 歯学部, 助手 (10508716)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 歯科矯正 / バイオガラス / 再石灰化 |
Research Abstract |
ブラケット周囲エナメル質の脱灰という問題に対して、高い石灰化誘導能を有するバイオガラスを含有するレジン系接着材料を開発することに加え、矯正臨床におけるブラケット周囲のエナメル質の脱灰や再石灰化挙動を評価するためのin vitroエナメル質再石灰化評価モデルの確立を行うことを目的として本研究を開始した。 試料の作製として原料を溶液に溶かし、溶液段階で反応させ、比較的低温で焼くことができる液相法(ゾル・ゲル法)によってバイオガラス(SiO2:45%、Na2O:24.5%、CaO:24.5%、P2O5:6%)の薄層をコーティングしたフィラーを作製した。バイオガラス含有レジン系接着材料のレジンマトリックスには、Bis-GMA、TEGDMAおよびHEMAの3種類のモノマーを数種類の配合比で使用した。重合開始剤としてcamphorquinone(0.005 mass %)を、重合促進剤として2-(dimethylamino)ethyl methacrylate(0.01 mass %)を配合し光硬化型とした。本接着材料には30~70 mass %となるようにバイオガラス(SiO2-Na2O-CaO-P2O5)の層を有するバイオセラミックスフィラーを配合した。このバイオガラス含有レジン系接着材料を分離剤を塗った金枠に圧接・光重合し、角材試料(2×2×20 mm)と板状試料(直径10mm、1mm厚)を作製した。 また、浸漬試験に用いる人口唾液(NaCl:0.4 g、KCl:0.4 g、CaCl2・2H20:0.795 g、NaH2PO4・2H20:0.78 g、Na2S・9H20:0.005 g、NH2CONH2:1.0 g、distilled water:1000 mL)について様々な濃度や条件を試験している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
試料に用いるバイオガラスを含有するレジン系接着材料の作製は、予定通りに行うことができた。材料の作製が順調に行えたため、材料試験の段階までほぼ予定通りであり、浸漬試験についても順調に試験が進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の結果から、優れた石灰化物形成能と操作性を有するモノマーとバイオガラスの配合比を用いて、接着強さ試験、マイクロCTによるミネラル密度の定量、エナメル質のナノインデンテーション解析、エナメル質の結晶構造解析および微小領域エックス線回折などの試験を順次行い、得られた結果を取りまとめ、成果の発表を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度には既存の設備や機器を使用し試験を行う予定ではあるが、試験に使用する物品や消耗品、また、成果の発表に関する費用に使用する予定である。
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