2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a new caries risk assessment system by measuring the level of sound enamel fluorination
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24792312
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
名生 幸恵 (割田幸恵) 日本歯科大学, 生命歯学部, 講師 (50386257)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | フッ素化アパタイト / カリエスリスク判定 / エナメル質 / 光学的検索 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、小児歯科臨床で望まれる「最小の介入で最大の効果を上げる過不足ないフッ化物による予防的対応」を行うために、①光学機器と光励起蛍光定量法(QLF)を用いて健全エナメル質の耐酸性(フッ素化アパタイトへの転化度:フッ素化度)を定量し、歯面のフッ素化度の過不足を客観的に評価する新たなカリエスリスク判定法を確立し、②フッ化物応用による口腔内エナメル質の耐酸性獲得の有無を、簡便かつ非侵襲的に測定できる光学機器の開発を目指すことを目標に、耐酸性エナメル質(フッ素化アパタイト)試料を実験的に作成し、光に対する特性を明らかにすることを目的としてきた。 最終年度は前年度までの申請者の育児休業取得による2回の研究中断に伴い、研究計画の見直しおよび変更を行った。具体的には、フッ素化アパタイト試料の完成を目指すため、入手困難かつ性状が均一でないヒト乳歯ではなく、組成が一定である人工アパタイトを用いた試料作製を試み、デジタルカメラ付光学的齲蝕診断システム(BiluminatorTM)による測定に供した。しかしながら、人工アパタイト試料においては光によるフッ素化度の定量が困難であり、天然歯に準じた実験材料としての使用は適さないと判断した。そのため、試料完成後に予定していた乳歯列を模したマウスピースに試料片を埋入しフッ素化の工程をより臨床に近い条件に設定するという予備実験は実施までに至らなかった。 本研究の科学研究費補助事業期間は申請者の事情により計4年度分、延長させていただいたが、申請時の研究実施計画通りには遂行できず、また、計画変更を行ったにも関わらず公表に値するような成果を得ることがかなわなかった。本研究内容において、ヒト乳歯の代替材料として人工アパタイトが不適であることが明らかになったので、今後はウシ歯を用いた試料作製により基礎研究を継続していく予定である。
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