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2012 Fiscal Year Research-status Report

局所血流改善薬の歯周組織再生過程に及ぼす影響の解析

Research Project

Project/Area Number 24792324
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

三木 康史  大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (10598395)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2014-03-31
Keywords歯周組織再生 / 塩化カルプロニウム / ムスカリン受容体
Research Abstract

塩化カルプロニウムは、血管内皮細胞のムスカリン受容体を刺激することで局所の血流を改善することが知られているが、組織再生に重要な新生血管を形成する作用があるか否かを検討するため、ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVECs)を用いtube formation(管腔形成)の比較を行った。その結果10μg/ml塩化カルプルニウム刺激群において有意に管腔形成することが明らかとなり、組織再生において重要な血管新生作用が、塩化カルプロニウムに有する可能性が示唆された。次に歯周組織構成細胞である歯根膜細胞にムスカリン受容体が発現しているか否かRT-PCRにて検討をおこなった。その結果マウス歯根膜細胞株 MPDL22においてムスカリン受容体のすべてのサブタイプがmRNAレベルで発現していることが明らかとなった。次に塩化カルプロニウムが歯周組織構成細胞の増殖、分化に及ぼす影響について調べた。MPDL22を塩化カルプロニウム存在、非存在下で培養を行ったが、細胞増殖能に明らかな影響は認められなかった。MPDL22を石灰化誘導培地(β-glycelophosphate, ascorbic acid含有 10%FCS/α-MEM)のみ及び10μg/ml塩化カルプロニウム含有石灰化誘導培地にて培養し細胞分化誘導を行った。その結果、対照群と比較し塩化カルプロニウム刺激群において有意に骨関連遺伝子の発現が上昇し、アルカリフォスファターゼ活性の上昇が認められた。またアリザリン染色にて濃染した。以上の結果より塩化カルプロニウムはin vitroにおいて血管新生作用および歯根膜細胞の硬組織形成細胞への分化を促進する作用があることが明らかとなった。これは歯周組織の治癒過程において、組織の再生を促す可能性があることが示唆される。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度の実験結果より、塩化カルプロニウムはin vitroにおいて血管新生作用および歯根膜細胞が硬組織形成細胞への分化するのを促進する作用があることが明らかとなった。当初H24年度の実験計画において歯根膜内の血流量の比較を予定していたが、操作が煩雑であり安定した血流量を測定するには至っていない。しかしながら、HUVECsを用いた管腔形成の比較実験により、塩化カルプロニウム刺激により、管腔形成を促進することが明らかとなった。In vitroにおける結果であるが、塩化カルプロニウムは血管拡張するのみでなく、組織再生時に重要な血管新生を促進する可能性があるデータであり、今後in vivoにおいての検索を行う予定である。また塩化カルプロニウムには歯根膜細胞に直接的に作用し硬組織形成細胞への分化を促進する作用があることが明らかとなった。これは組織の微小循環の改善により組織再生を推し進める作用に加え、歯周組織の治癒過程において歯根膜細胞の硬組織形成細胞への分化を促進し、歯周組織の再生を促す可能性が示唆され、おおむね順調に進展していると考えている。

Strategy for Future Research Activity

来年度の実験計画としてはH24年度にて塩化カルプロニウムがin vitroにて歯周組織再生を促進する可能性が示唆されたため、in vivoにおける実験を中心に行っていく予定である。申請時のH25年度の計画としては、ラット上顎左右側第一臼歯近心根口蓋側に3壁性骨欠損を作製し、塩化カルプロニウムの局所投与を行う。塩化カルプロニウム投与側、非投与側にわけ手術後7, 14, 21, 42日後ラット上顎骨をマイクロCTにて撮影、観察する。その後灌流固定し、上顎骨を摘出する。上顎骨はパラホルムアルデヒドにて固定後、EDTAを用いて脱灰し凍結切片を作製する。ヘマトキシリン-エオジン(HE)染色を施し、歯周組織の組織学的な観察を行い、組織再生の効果について解析する。また免疫組織化学染色にて炎症細胞の浸潤程度、von kossa染色にて再生骨量の検索を行いコントロール群と比較検討するものであり、次年度行っていく予定である。また歯槽骨の欠損の作製は煩雑であることから、以上の方法で安定した結果が得られない場合は、マウスの頭蓋骨に骨欠損を作製し、塩化カルプロニウムの局所投与を行い、治癒過程の観察を行う予定である。動物実験に関しては大阪大学歯学研究科等動物実験委員会の審査を経ることを厳守する。またin vitroにおいては、H24年度においては塩化カルプロニウムの刺激によりmRNAレベルで骨形成遺伝子の上昇が確認されたが、タンパクレベルにおいても上昇するか否か検索する予定である。また歯根膜細胞においてムスカリン受容体の発現が明らかとなったが、どの受容体に作用して効果を発揮しているのかを検索するため、ムスカリン受容体のinhibitorを用いて実験を行う予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

今後の研究の推進方策に記載している通り、in vivoの実験を行うため、実験動物及び動物実験用器具の購入に使用する。またin vitroでの細胞培養に用いる試薬やプラスチック器具の購入に使用する。また得られた成果について学会での発表に研究費の使用を予定している。

  • Research Products

    (1 results)

All 2013

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] Carpronium chloride promotes the calcification of periodontal ligament cells2013

    • Author(s)
      三木 康史
    • Organizer
      IADR (国際歯科研究学会)
    • Place of Presentation
      タイ バンコク
    • Year and Date
      20130821-20130823

URL: 

Published: 2014-07-24  

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