2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24792326
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小笹 匡雄 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (20624563)
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Keywords | 幹細胞 / 歯根膜細胞 / PLAP-1 / periostin |
Research Abstract |
本研究課題では、間葉系幹細胞から歯根膜細胞へのコミットメントがどのような分子機構により制御されているかについて、歯根膜組織特異的分子の発現を指標として解析を行った。平成25年度の研究成果について以下に報告する。 まず、歯根膜組織に特異的に発現するPLAP-1について、同分子の発現制御メカニズムの解析を行った。plap-1遺伝子のプロモーター領域に、低酸素応答性領域(HRE)が認められたため、同分子が低酸素条件下での培養により発現誘導されるか否かについて検討を行った。歯根膜細胞を1%酸素下にて培養することにより、plap-1 mRNAの発現が有意に上昇することがreal time PCR法にて明らかとなるとともに、培養上清中のタンパク発現が上昇することをウェスタンブロット法にて確認した。そこで次に、同分子の発現上昇に低酸素応答因子(HIF-1 alpha)が関与するか否かについて検討を加えた。HIF-1 alphaの安定化試薬であるdeferoxamine存在下にて歯根膜細胞を培養したところ、plap-1 mRNAの発現上昇を認めた。さらにHIF-1 alpha阻害薬であるchetominを用いて阻害実験を行ったところ、低酸素あるいはdeferoxamineによって誘導されるplap-1 mRNA発現はchetomin存在下にて有意に抑制された。以上の結果から低酸素によって誘導されるHIF-1 alphaが歯根膜特異的分子であるPLAP-1の発現制御に重要な役割を担っていることが明らかとなった。 一方で、歯根膜細胞由来液性因子が、間葉系幹細胞に歯根膜組織特異的分子の発現を誘導するか否かについて検討した。歯根膜細胞の培養上清存在下にて培養した脂肪組織由来間葉系幹細胞のperiostin mRNA発現について解析した結果、歯根膜細胞の培養上清はperiostin mRNAの発現を有意に上昇させることが明らかとなった。 以上の結果から、歯根膜組織特異的分子の発現に関する分子機序の一端が明らかとなった。
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[Journal Article] Periodontal tissue regeneration by transplantation of adipose tissue-derived multi-lineage progenitor cells2014
Author(s)
Masao Ozasa, Keigo Sawada, Tomoaki Iwayama, Satomi Yamamoto, Chiaki Morimoto, Hanayuki Okura, Akihumi Matsuyama, Hiroshi Komoda, Chun Man Lee, Yoshiki Sawa, Masahiro Kitamura, Tomoko Hashikawa, Masahide Takedachi and Shinya Murakami
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Journal Title
Inflammation and Regeneration
Volume: 34
Pages: 109-116
Peer Reviewed
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