2013 Fiscal Year Annual Research Report
TNF-αの新たな転写制御因子候補TDP-43の歯周病病態に果たす役割
Project/Area Number |
24792332
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
村田 裕美 徳島大学, 大学病院, 医員 (00583874)
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Keywords | TNF-α / TDP-43 / 単球 / LPS / 歯周病 |
Research Abstract |
歯周病細菌のLPSの刺激を受けたマクロファージから過剰に産生されるTNF-αは,免疫系の活性化や他の炎症性サイトカインの産生を誘導することから,歯周病の病態を修飾する主要な炎症メディエーターであると考えられる。したがって,LPS誘導性のTNF-α産生メカニズムを解明することは,歯周病の治療戦略を考える上で非常に重要な研究課題である。研究代表者はこれまでに,TNF-αの新規の転写制御因子の検索を目的としてcDNAライブラリーを用いたスクリーニングを行い, TDP-43を同定した。本研究では,このTDP-43のTNF-α転写調節における役割について検討することを目的とした。H24年度の研究では,マクロファージにおけるTNF-α遺伝子発現におけるTDP-43の関与について検討した。マクロファージ様細胞の培養系にLPSを添加したときのTDP-43の発現を核内タンパクレベルおよびmRNAレベルで調べた結果,いずれも早期に発現が上昇し(LPS添加後20分以内),それらはTNF-α遺伝子発現に先行していた。また,TDP-43を過剰発現させた細胞では,mock細胞に比べてTNF-α遺伝子発現の増加を認めた。さらに,siRNAを用いてTDP-43をノックダウンした細胞では,LPS添加後のTNF-α遺伝子発現が抑制された。H25年度の研究では,TDP-43と他の転写因子群との関係について検討した。標的のTNF-αプロモーター断片をプローブとし,NF-κBの非標識結合配列および各転写因子の抗体を用いたゲルシフトアッセイを行った。その結果,NF-κBは間接的に標的のTNF-αプロモーター領域に結合することが示唆された。これらの結果から,TDP-43はマクロファージのLPS刺激により核内に誘導され,NF-κBなどの転写因子と複合体を形成してTNF-αの転写調節に関与している可能性が示唆された。
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