2013 Fiscal Year Annual Research Report
bFGFシグナル伝達のアンタゴニストを標的とした歯周組織再生治療薬の創薬
Project/Area Number |
24792334
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
讃井 彰一 九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (70507780)
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Keywords | Spry2 / 骨芽細胞 / 歯肉上皮細胞 / bFGF / EGF |
Research Abstract |
本研究の目的は、ERKにより誘導されるネガティブフィードバック制御因子Sprouty2(Spry2)が阻害される作用点をタンパク質構造解析より割り出し、培養細胞および実験動物を利用してSpry2阻害剤を開発することである。最終的に、歯周組織破壊が起きた部位に、創薬されたSprouty2阻害剤を局所適用した歯周組織再生療法を開発し、その有用性を確立したいと考えている。 平成25年度は培養細胞へのSpry2変異体導入とその細胞機能解析におけるシグナル伝達経路の解明を行なった。Spry2抑制骨芽細胞はbFGF+EGF刺激により、ALP活性試験とALP染色によりALP活性が亢進していることが確認できた。また、ウェスタンブロット法の結果、Spry2抑制骨芽細胞はRunx2の抑制とTwisitの活性が認められた。このことより、Runx2の下流にSpry2が作用を及ぼしていると考えられる。一方、Sprouty2変異歯肉上皮細胞は対照群と比べ、bFGF+EGF刺激により著しくEGF受容体のユビキチン化が亢進し、共焦点レーザー顕微鏡によりEGF受容体の分解が増加していた。 結論として、本研究により、Spry2を抑制することで、骨芽細胞においては細胞増殖とともに骨分化が促進され、反対に歯肉上皮細胞では細胞増殖が抑制された。つまり、歯槽骨吸収部位に対してbFGFとEGF、Spry2阻害剤を併用すると、歯肉上皮の増殖、つまりdowngrowthが妨げられ、GTR法のように物理的なバリアを用いることなく生物学的に再生の空間が確保されることが期待される。
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Research Products
(19 results)
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[Book] 歯界展望 特別号20132013
Author(s)
福田隆男, 田中麗, 豊田敬介, 讃井 彰一, 武富 孝治, 後村亮, 濱地 貴文, 前田 勝正, 西村 英紀
Total Pages
1
Publisher
医歯薬出版株式会社
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