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2012 Fiscal Year Research-status Report

歯周病の新規予防物質としてのウナギガレクチンの有効性評価

Research Project

Project/Area Number 24792339
Research InstitutionTokyo Dental College

Principal Investigator

高山 沙織  東京歯科大学, 歯学部, 助教 (00550013)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2014-03-31
Keywordsウナギレクチン / 歯周病原細菌 / 内毒素 / 炎症性サイトカイン / バイオフィルム
Research Abstract

ゲル濾過、アフィニティクロマトグラフィにてウナギ体表上皮粘液から分離したウナギレクチンAJL-2の純度をSDS-PAGEにて確認した。以前の報告(Saito E. et al, 2005)の通りのバンドの形成がみられ、不純物を疑うようなバンドは認ず、精製AJL-2は純度の高い状態であることが確認できた。また、濃度をプロテインアッセイを用いて確認し、以降の実験に用いた。
研究代表者が過去に行ってきたウナギガレクチンAJL-1についての研究では、AJL-1が歯周病原細菌Aggregatibacter actinomycetemcomitansのバイオフィルム形成を抑制することを報告した。またAJL-1はA. actinomycetemcomitansY4由来内毒素(LPS)によるヒト正常臍帯静脈血管内皮細胞からの炎症性サイトカイン誘導も抑制させた(Takayama S. et al, 2009)。AJL-2も抗内毒素活性をもつ可能性が高いため、ヒト大動脈内皮細胞を用いて歯周病原細菌LPSによる刺激で炎症性サイトカインを産生させ、それに対するAJL-2の影響を検討した。
その結果、AJL-1と同様A. actinomycetemcomitansY4 LPSによるIL-6産生誘導に有意な抑制がみられ、その抑制は添加AJL-2の濃度依存的であった。また、LPSとAJL-2の細胞への刺激時期をずらし、サイトカイン量を測定したところ、AJL-2はLPSに結合する可能性があると推測できた。
IL-6は炎症反応において最も重要なサイトカインのひとつであり、AJL-2がその産生を抑制するという本結果は、A. actinomycetemcomitansが引き起こす歯周組織の炎症を抑制できる可能性があることを示唆する。さらに、AJL-2は本菌のバイオフィルム形成も抑制する可能性が高い。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

ウナギ体表から抽出した精製AJL-2の分析を行い、過去の報告と同等の結果が得られた。
このAJL-2を用い、本年度に得られた結果は、A. actinomycetemcomitans感染に対する炎症反応の抑制能をAJL-2がもつ可能性を示唆すると同時に、その機序はAJL-2がLPSに結合することによるものであると考えられ、AJL-2が歯周組織での宿主防御機構に対し有益である可能性を見出した。また、同知見よりAJL-2が本菌のバイオフィルム形成に対する抑制作用をもつ可能性が高まったことから、今後の研究に使用するバイオフィルム細菌のスクリーニングを行うことができた。

Strategy for Future Research Activity

精製したAJL-2を用い、A. actinomycetemcomitans Y4, ATCC 29523, ATCC 29524のバイオフィルム形成に対する抑制効果の有無を検討する。また同時に、浮遊菌の菌数とbioactivityを測定し、AJL-2の抗菌活性の有無も検討する。また、他の歯周病原細菌に対しても同様の実験を行い、AJL-2の更なる有効性を検討する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

当該年度の研究に必要な物品の購入費、および学会参加のための旅費として、支払請求額とほぼ同額の研究費を使用した。次年度使用額ならびに次年度分として請求した助成金は、研究に必要な物品、試薬、学会発表旅費、論文校正、投稿費用等に使用する予定である。

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Published: 2014-07-24  

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