2013 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病の新規予防物質としてのウナギガレクチンの有効性評価
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24792339
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
高山 沙織 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (00550013)
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Keywords | ウナギレクチン / 歯周病原細菌 / 内毒素 / 炎症性サイトカイン / バイオフィルム |
Research Abstract |
研究代表者は過去に日本ウナギ体表上皮粘液由来のガレクチンAJL-1が、歯周病原細菌Aggregatibacter actinomycetemcomitansのバイオフィルム形成を抑制することを報告してきた(Takayama S. et al, 2009)。同様にウナギ体表に存在するレクチンAJL-2もバイオフィルム形成抑制能をもつ可能性がある。 本年度は、前年度に純度および濃度を確認したウナギレクチンAJL-2を用いて、その歯周病原細菌バイオフィルム形成に対する抑制作用について検討した。また、バイオフィルムを形成していない浮遊菌の量および浮遊菌のbioactivityに対するAJL-2の影響を検討した。 その結果、AJL-2はA. actinomycetemcomitans ATCC 29523および29524のバイオフィルム形成を濃度依存的に増加させる傾向がみられた。また、それとは対照的に、浮遊菌量および浮遊菌のATP量は濃度依存的に減少しており、各濃度間の差は統計学的に有意であった。 AJL-2の細菌培地への添加により浮遊菌量、およびbioactivityが減少したが、それはAJL-2のbiofilm形成促進作用によるものと考えられ、AJL-2に殺菌の効果は無いものと考えられる。 前年に行ったヒト大動脈内皮細胞からの炎症性サイトカイン誘導抑制試験の結果より、AJL-2がA. actinomycetemcomitans LPSに結合することにより誘導が抑制されるのではないかと考察されたことから、AJL-2のバイオフィルム形成促進作用には、細菌間の付着にAJL-2の介在が関与すると考えられる。AJL-1との分子構造の相違から、細菌に対する作用の違いを検討し、それぞれの作用機序を解明することで、AJL-1の臨床応用への可能性を探究するとともに、新たな歯周病予防物質の開発に応用する。
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