2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24792357
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
冨岡 未記子 九州大学, 歯学研究科(研究院), 共同研究員 (70546473)
|
Keywords | う蝕象牙質 / 細菌叢 / クローンライブラリー法 |
Research Abstract |
今年度はまず本研究により新たに成人のう蝕象牙質中に高い比率で認められたPropionibacterium属とOlsenella属、さらに、象牙質う蝕では注目されてこなかったStreptococcus属に焦点をあてた。バーコードパイロシーケンス法にて、これらの菌属がそれぞれ10%以上を占める16個のう蝕象牙質サンプルについて、クローンライブラリー法を実施し、サンプル中に存在する菌種の同定を試みた。1サンプル85~96クローンの16S rRNA内の約700 bpのシーケンスを解析した結果、Propionibacterium属は9サンプルより283クローンが検出され,その中の280クローンがP. acidifaciensで、9サンプルすべてに認められた。残りの3クローンのP. propionicumは1つのサンプルより検出された。Olsenella属は9サンプルより201クローンが検出され,その中の200クローンがO. profusaであり、P. acidifaciensと同様に9サンプルすべてに認められた。Streptococcus属は7サンプルより123クローンが検出され、S. mutansが5サンプルより107クローン、S. oralisが1クローン、S. salivariusが1サンプルより2クローン、S. sanguinisが2サンプルより9クローン、S. vestibularisが1サンプルより4クローン認められた。また、Lactobacillus属についても調べた結果、検出された126クローンの中で、L. paracaseiが50クローンで最も多かった。続いてL. gasseriとL. salivariusが19クローンであった。 以上の結果より、P. propionicumとO. profusaが主に成人の象牙質う蝕に関与していることが示唆された。また、Streptococcus属ではS. mutansが高比率で存在することがわかった。
|