2014 Fiscal Year Annual Research Report
誤嚥性肺炎予防を目指したピロシークエンシング法を用いる口腔細菌叢の網羅的解析
Project/Area Number |
24792369
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
阿保 備子 鶴見大学, 歯学部, 寄附講座助教 (00420282)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 誤嚥性肺炎 / 口腔細菌叢 |
Outline of Annual Research Achievements |
誤嚥性肺炎は、嚥下機能が低下し唾液とともに口腔・咽頭細菌の肺への吸引が起こるために発症する。誤嚥性肺炎予防の第一は、嚥下反射や咳反射の改善であるが、不顕性誤嚥による唾液中の細菌数を可及的に減らすことも重要と考えられる。 本研究では、誤嚥性肺炎と診断された高齢者の口腔内バイオフィルムについて、基礎疾患等を考慮しながらその細菌叢を解析した。本研究は、鶴見大学歯学部および虎の門病院の倫理委員会の承認を受けたのち実施した。研究協力者は、虎の門病院呼吸器内科の担当医より誤嚥性肺炎と診断されて入院している高齢者で、診療上の必要性から口腔ケアを施行する症例で、かつインフォームド・コンセントが得られた10名とした。期間は平成24年12月から平成26年12月までとした。術前に作成したプロトコールに則り、口腔内から採取したサンプルを用いて、う蝕検査(培養法)、歯周病関連菌検査(PCR-インベーダー法)、さらに日和見検査(培養法)を行った。 研究協力者の平均年齢は83.9歳、DMFT指数は26.3であった。9名のサンプルからFusobacterium nucleatumが検出された。無歯顎、有歯顎に関わらず、検出されたFusobacterium nucleatumは歯周病原因菌の一つとして知られているが、プラークや舌苔の形成だけではなくコアグラの形成にも関与していると考えられる。多くの協力者が口腔ケアに関心がなく、Candida sp.などの日和見感染菌も多く検出されていることから口腔ケアの重要性を理解してもらう必要がある。本研究では口腔内細菌叢の網羅的解析を行っており、今後、雑誌論文を投稿する予定である。
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