2012 Fiscal Year Research-status Report
メンタルヘルスにおける脳腸相関の応用-腸機能の解析・評価法に視点をあてて
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24792380
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
藤田 水穂 千葉大学, 看護学研究科, 助教 (00380717)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 脳腸相関 / 胃腸電図 / 心拍変動性 / 脳血流 / ストレス負荷 |
Research Abstract |
本研究では,胃腸の機能性の評価法および脳機能と腸機能の関係に関する基礎研究を行うとともに,脳腸相関を利用した新しい健康法や疾患予防への応用に展開するための基礎研究を行うものである. 平成24年度は,複数のサンプルに対して測定したデータを解析し,その結果を元に新たな実験方法の詳細について検討を行った. 新たに行った実験は,ストレスなどで下痢や便秘症状を起こしやすい人および愁訴のない健常な成人を対象に,安静時及び視覚ストレス負荷時の胃腸電図の周波数解析,カオス解析,心拍変動性による自律神経活動評価から,腸の愁訴の違いによる特性を見出し,腸機能評価法について多角的に検討することを目的として,冬期から実験を行った. 研究対象は,研究の趣旨・協力する内容を理解し同意を得られた18~40歳程度までの健康な成人男女とした.女性については,胃腸活動が性周期に影響を受けにくいと考えられる卵胞期(生理終了後から排卵日頃まで)とした.腹部症状としてストレスなどで下痢や便秘症状を起こしやすいことを自覚する者および特別な腹部愁訴のない者とに被験者グループを分けた.被験者は,実験の2時間前には朝食もしくは昼食をすませて実験に参加するものとした. 実験手順として,被験者は,30分の座位安静後,10分間の視覚刺激ストレスに暴露され,その後30分間の座位安静を保持した.この間,胃電図、心電図および脳血流の経時的測定が行われた.また,IBS(過敏性腸症候群)症状スコア,腹部感覚や不快感の変化を調べる質問調査が行われた. 現在,約30例のデータが採取され,まもなく実験終了予定である.今後はデータを解析し,さらに平成25年度の実験計画を実施する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに実験が進捗し,今後のデータ解析方法も明確となっているため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の実験データを解析し,胃腸の機能性の特徴や評価法をまとめ,その結果をもとに,具体的なストレス耐性強化の方法を検討する実験を行う予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
まず,24年度は予算に未使用が生じた.胃腸電図を購入計画であったが,購入を延期したためである.それは,予定していたものより精度の高い胃腸電図が見つかったため,購入を検討したが、費用が24年度の予算では足りず購入できなかったためであった(その胃腸電図はデモ機を無償で借りることができ,実験は実施することができた). 以上の予算使用計画変更により,結果、24年度計画の予算から未使用が生じた. 25年度は,上記したより精度の高い胃腸電図を測定するために,それを可能とする新たな胃腸電計およびアンプを購入する予定としている.
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Research Products
(2 results)