2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24792385
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
大黒 理惠 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 助教 (70510345)
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Keywords | 危険予知 / 眼球運動 / 看護師 / 看護学生 |
Research Abstract |
本申請では、看護師の危険予知力やその特徴を検証するために、個人の経験と疾患や生体反応に関する専門的知識に基づく情報収集力やアセスメント力に注目し、観察・判断の視点、それに基づく危険予知の過程を視線計測及び思考過程から科学的に分析することを目的に、看護師を対象に、意図的に作成した体位変換場面、処方箋確認場面で調査した。 体位変換場面では、観察前にどのような情報に注目し、観察時に何を注視し、観察後に何を記憶したかという認識過程を注目と記憶と眼球運動の関係から調査した。看護師の危険予知の特徴は、注目項目を0.2秒以上で注視する割合と注視項目のうち観察後に記憶する割合が少ないことであり、0.2秒以下の注視の存在や注視項目をそのまま記憶せず優先度や危険度の判断により取捨選択の可能性を考えた。注視を0.1秒と定義すると0.2秒でみられた両群の眼球運動の違いはなくなり、両群の違いは、観察前の注目項目や観察時の眼球運動、観察後の記憶項目ではなく、注目理由や注目項目から何を判断し、優先度や危険度をつけて記憶したかの質にあると示唆された。 処方箋確認場面では、①処方箋確認前と確認中の意識と眼球運動の関連、②処方箋の配置による眼球運動の変化、③処方箋確認時の看護師の眼球運動の特徴を調査した。処方箋を欠落領域や注視の偏りなく見るには、処方箋確認経験や事前にどの領域を見よう、確認中に偏りなく見ようという意識とは関連しないと示唆された。また、注視の少ない領域は注視の集中する領域の上部(処方箋中央)に再配置すると、確認時間を変化させずに視線を向けられることが示唆された。普段使用していない処方箋の確認時でも、確認時間は変化しないが、注視時間や回数は変化した。しかし、普段の使用に関係なく、患者誤認が事故につながる領域への注視に違いはなく、患者名は薬剤名や投与方法よりも優先度が高いことが明らかになった。
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Research Products
(2 results)