2014 Fiscal Year Annual Research Report
中絶医療が女性のリプロダクティブ・ヘルスに及ぼす影響
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24792387
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
水野 真希 金沢大学, 保健学系, 助教 (60547181)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 人工妊娠中絶 / 看護教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
科研交付内定後、24年度と25年度は妊娠出産、育児休暇のため研究を中断。 26年度に研究を本格的に開始した。研究者はこれまで、人工妊娠中絶ケアの実態について国内外で比較調査を行ってきた。国内の人工妊娠中絶ケアは、女性の身体的な健康に赴きがおかれ、処置に対する説明や合併症の観察、安全に処置が行えるよう、麻酔管理や疼痛の緩和などほとんどの医療機関で提供はされていたが、人工妊娠中絶に至った背景や女性が抱える悩みなど、丁寧なカウンセリングを提供している医療機関は欧米諸国と比較すると非常に少ない実態が明らかとなった。この結果を受け、今度は、実際、中絶ケアを受けた女性に焦点を当て、中絶ケアをどのように受け止め、そしてその後の女性の健康行動にどのよな影響を及ぼすのか明らかにするため、調査施設に調査協力を依頼し協力の意思を確認。研究協力者との数回に及ぶ打ち合わせを実施し、研究計画及び調査用紙を作成した。調査は、面接調査及び、調査用紙を用いて実施していき、ケアの評価や女性のニーズを明らかにしていく。調査は次年度に実施していく。 また、アメリカのカリフォルニア大学が出版する教科書「providing abortion care」の翻訳について承諾が得られ、翻訳を開始し始めた。この教科書は、妊娠初期の人工妊娠中絶ケアについて、妊娠した女性が医療機関を訪れてからの関わり方や、カウンセリングの方法、処置の内容や処置中のケアの実際、処置後の女性との継続的な関わり、具体的な指導内容や方法など詳細に記載され、学生が一つ一つの項目に対してトレーニングできるような構成になっている。日本には、このようなケアガイドラインは存在しておらず、それぞれの医療機関や医療者の考えに委ねられていたが、統一したケア提供のためには、この本の出版が必須であり、教育やケア改善の一助となりうると考える。
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