2013 Fiscal Year Annual Research Report
慢性疾患を持つ被災者が健康管理を継続するプロセス~生活の場の変化に焦点を当てて~
Project/Area Number |
24792388
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
清水 誉子 福井大学, 医学部, 助教 (00554552)
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Keywords | 被災者の健康管理 / 慢性疾患 |
Research Abstract |
慢性疾患を持つ老年期の被災者が、被災後どのように健康管理を行っているのかを明らかにすることを目的に調査を行った。調査時に仮設住宅に入居しており、慢性疾患を持つ老年期(65歳以上)の被災者6名を対象とした。年齢は60代3名、70代3名で、性別は男性1名、女性5名であった。 慢性疾患を持つ老年期の被災者の健康管理として5つのカテゴリー【直後は自分のことも考えない】【いつもの習慣をなんとか続ける】【変化に合わせて対処する】【専門職にお願いする】【新しく励みになるものを見つける】が抽出された。【直後は自分のことも考えられない】は、被災直後に見られていた。また、【いつもの習慣を何とか続ける】は、<長年の友達付き合いを続けて元気をもらう><以前からの楽しみやストレス解消法を続ける>等4つのサブカテゴリーからなり、【変化に合わせて対処する】は、<体調の変化や自覚症状に合わせて対処する><環境の変化に合わせて状態の悪化を予防する>等3つのサブカテゴリーからなっていた。さらに、【専門職にお願いする】は、<専門職のアドバイスを守る>等2つのサブカテゴリーからなっており、【新しく励みになるものを見つける】では、<新しい人間関係の中で役割を見出す>等2つのサブカテゴリーからなっていた。 研究期間全体を通し、慢性疾患を持つ老年期の被災者の健康管理は、被災直後自分のことも考えられない状況であるが、その後、体調の変化に合わせて対処したり、被災前からの習慣を何とか続けることで健康管理を行っていることが分かった。しかし、75歳未満の高齢者は被災後の新たな環境の中から何かを見出すことでも健康管理を行っていたが、75歳以上の後期高齢者では、迷惑をかけないために我慢することや周囲にいわれるがままに行動するなどの特徴がみられることが分かった。同じ高齢者でも年齢に合わせた支援が必要であることが示唆された。
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