2012 Fiscal Year Research-status Report
看護師の感情規則の構築要因の明確化と感情労働による精神的負担感への援助方法の検討
Project/Area Number |
24792389
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
北野 華奈恵 福井大学, 医学部, 助教 (60509298)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 感情規則 / 感情労働 / 精神的負担感 / 看護師 |
Research Abstract |
本研究は,看護師の感情労働および,その基盤となる看護師が持つ感情規則と精神的負担感との関係性の明確化,加えて感情規則の構築要因を明らかにし,その調査結果をもとに看護師の感情労働からくる精神的負担感の軽減に繋がる援助方法を検討することである.援助方法を見出すことは離職の歯止めや看護の質の向上に繋がると考える. 平成24年度は,インタビューを基に看護師が持つ感情規則のカテゴリーを抽出した前研究を踏まえ,抽出されたカテゴリーから感情規則の度合いを測定する尺度を作成中である.抽出されたカテゴリーの中から,「患者中心」「看護師に求められる能力」「コミュニケーション能力」「仕事への姿勢」をキーワードに文献を検索し,より多くの質問項目を収集した.加えて,看護師の感情規則となる他の質問項目はないか文献検討を行い,「何よりも心を大事にしなければならない」「自分の価値観は出してはいけない」等といった必要と考えられる質問項目を収集,検討している.また,日本看護研究学会に参加し,他の参加者と質的研究からの尺度作成に関する助言をもらうとともに,感情規則のキーワードとなるものはないかディスカッションを行った.同時に,感情規則が何によって構築されていくのかもディスカッションし,文献検討も行っている. さらに,看護師の精神的負担感を測定する尺度として,鈴木らが作成したSRS-18の使用を考えていたが,精神的負担感だけでなく,身体的症状も出現している可能性もあり,精神的かつ身体的な疲労が測定できる尺度として,越河らの蓄積的疲労徴候インデックスや福田らの看護師を対象として開発された職場ストレッサー尺度などの使用も検討中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は,1)看護師の感情規則と感情労働,精神的負担感との関係性の明確化,2)感情規則の構築要因の明確化,3)感情規則と感情労働からくる精神的負担感に対する援助方法の検討,の3段階にて実施することを計画していた. 平成24年度は,研究1)看護師の感情規則と感情労働,精神的負担感との関係性を明らかにするための尺度の作成,検討段階にあり,完成次第,アンケート調査が実施できるところまで進んでいる.また,同時に研究2)の感情規則の構築要因に関する文献検討を行っており,研究3)の調査も同時進行で実施する予定であり,おおむね順調に進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
看護師の感情規則と感情労働,精神的負担感との関係性の明確化のため,看護師800名を対象に,感情規則の程度を測定する尺度,感情労働測定尺度,精神的負担感を測定する尺度を用い,アンケート調査を実施する.その際に,看護師の感情規則の構築要因となっているものは何かも測定し,それらの関係性の明確化に努めていく予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
消耗品等として,質問紙作成に必要な用紙や封筒,切手代,インクカートリッジ,質問紙の整理に必要なファイル,データ管理用USB等の購入等に使用する. 人件費・謝金として,質問紙のデータ入力等の調査補助者への謝金に使用する. その他,学術集会参加費や引き続き必要な情報収集を行うための文献複写費等に使用する.
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Research Products
(1 results)