2012 Fiscal Year Research-status Report
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24792405
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Research Institution | Mie Prefectural College of Nursing |
Principal Investigator |
長谷川 智之 三重県立看護大学, 看護学部, 助教 (40588183)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 心肺蘇生法 / 胸骨圧迫 / 生体負担 / 身体特性 / 性差 / 姿勢 / 体重 |
Research Abstract |
本研究は、看護学教育における心肺蘇生の教育・実践の質の向上および心肺蘇生法のガイドライン改善を目指し、心肺蘇生法の中で最も重要な胸骨圧迫技術に着目する。本研究の目的は、様々な状況に対応する最も効率的かつ効果的な胸骨圧迫技術の要件を提案することである。平成24年度は、胸骨圧迫実施時の術者の生体負担と胸骨圧迫の正確性に関して、術者の身体特性や姿勢の違いとの関係性を検証した。研究参加者は、救命やICU、循環器病棟で勤務している看護師とした。実験条件として、①胸骨圧迫の実施を床とベッドで実施した時の比較、②胸骨圧迫の質と術者の性差との関係、③胸骨圧迫の質と術者の体重との関係の3条件の比較検討を行った。条件①は、胸骨圧迫を床に膝をつき行う標準的な方法と、ベッド上に膝をつき行う方法の比較を行った。条件②および条件③は、条件①をさらに男女もしくは体重別に分けて比較を行った。体重別とは、日本人の平均体重を基準とし、基準値より重い群と軽い群として比較した。結果から、術者の体重は、胸骨圧迫時の生体負担及び正確性に大きな影響を与えていることが明らかとなった。平均体重より軽い群は、重い群より胸骨圧迫時の生体負担が大きく、正確性が低いことが明確に示された。心肺蘇生に関するガイドラインは、疲労に伴う胸骨圧迫の質の低下を防ぐために、約2分毎の交代を提言しているが、軽い群は胸骨圧迫開始1分で有意な正確率の低下を示した。したがって、胸骨圧迫の交替基準は、術者の体重を考慮する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初は、24年度の予定は実験プロトコルの確立としていたが、24年度に本実験を実施することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、バイオメカニカル的手法を用いた胸骨圧迫動作の解析を行うことで、効率的かつ効果的な要件の提案につながると考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
生体アンプの修繕が必要となる。また、論文投稿および学会発表にかかる費用に使用する
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Research Products
(3 results)