2013 Fiscal Year Annual Research Report
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24792405
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Research Institution | Mie Prefectural College of Nursing |
Principal Investigator |
長谷川 智之 三重県立看護大学, 看護学部, 助教 (40588183)
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Keywords | 心肺蘇生法 / 胸骨圧迫 / 疲労 / 看護職 / 身体特性 / 体重 |
Research Abstract |
看護学教育における心肺蘇生の教育・実践の質の向上および心肺蘇生法のガイドライン改善を目指し、心肺蘇生法の中で最も重要な胸骨圧迫技術に着目した。本研究は、胸骨圧迫技術を実施したときの術者の生体負担・胸骨圧迫の質・作業効率等を総合的に評価し、様々な状況に対応する最も効率的かつ効果的な胸骨圧迫技術の要件を提案することを目的とした。中でも、術者の身体特性に焦点を当て、術者の体重が胸骨圧迫に与える影響について検討した。研究参加者は、心肺蘇生法の訓練を行っている看護師18名とした。群の統制は、日本人の平均体重をもとに、18名を軽い群(L群:9名)と重い群(H群:9名)に分けた。実験は、閉眼安静5分、胸骨圧迫連続実施5分、リカバリー5分の計15分で構成した。指標は、心拍数、酸素摂取量、表面筋電図、胸骨圧迫の深さ、主観的運動強度とした。結果として、L群はH群より、胸骨圧迫時およびリカバリーにおいて、心拍数、酸素摂取量、主観的運動強度が有意に高く、表面筋電図では体幹および大腿部の筋群を多く使うが、胸骨圧迫の深さは時間経過とともに劇的に浅くなった。一方で、H群は、胸骨圧迫の適切な深さを5分間にわたりほぼ維持することができた。胸骨圧迫は、傷病者の胸壁に対して、真上から垂直に体重を乗せ、力をかけることがポイントであるが、L群の胸骨圧迫は、体重が軽いために、体幹や大腿部の筋力を活用することで、全身性の疲労が大きくなったものと推察された。現行のガイドラインでは、胸骨圧迫は約2分毎で交替するとしている。本研究の結果から、L群は約1分で圧迫の深さが浅くなり、かつ疲労が大きくなったことから、体重が軽い術者が胸骨圧迫を実施する際は、約1分で交替することを提案する。
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Research Products
(2 results)