2012 Fiscal Year Research-status Report
既卒採用看護師の職場適応促進策―日本版メンターシッププログラムの構築に向けて―
Project/Area Number |
24792415
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
伊東 美奈子 聖路加看護大学, 看護学部, 助教 (00550708)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 看護学 / メンター / メンターシップ / 既卒採用看護師 / 離職防止 / 職場適応促進 |
Research Abstract |
メンターシップを構成する要素や、メンター独自の機能を明らかにするために、医療系の検索リソースを用いて文献検討を行った。 文献の抽出にあたり、国内文献を検索したところ、「プリセプターシップ」と「メンターシップ」がシソーラス用語扱いされており、日本では概念間に明確な線引きがないことがうかがえた。そのため、「mentorship」のワードで確実にメンターシップに関する文献が抽出できる国外文献の文献検討から開始した。 看護におけるメンターシップは、病院勤務の看護師の他、地域の保健師や看護教員などを対象に行われ、また新人に対してだけでなく、専門看護師やナースプラクティショナー、師長など、勤務を継続している看護職に対しても行われていることが概観できた。その中で、病院に新規採用された看護師に対して行われるメンターシップに着目すると、離職防止・職場適応促進を主とした目的で、新卒看護師だけでなく、既卒看護師や外国人看護師に対してもメンターシップが行われていた。また、メンターシップが構造化されたプログラムとして組織的に行われることで、その有効性が高まることが推察された。 日本においては、新卒看護師の早期離職防止策の一環として、臨床研修制度の努力義務化がなされ、新卒看護師に対してはプリセプターシッププログラムが整備されつつあるが、一方で、既卒採用の看護師に対する定着促進策は十分とは言えない現状がある。上記の文献検討の結果は、既卒採用看護師の定着を促進する方策として、メンターシッププログラムが有効であることを示すものとして位置づけることができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
急を要し、かつ処理に時間がかかる業務が多数発生したため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の研究計画の遅れを取り戻すとともに、平成25年度に予定している計画に着手し、実行する。利用可能な資源をできるだけ利用し、効率的・生産的な研究遂行に努める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度に計画されていた質問紙作成をまだ行っていないため、残額が生じている。平成25年度に計画されている質問紙調査の実施と合わせて、平成25年度に使用する予定である。
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