2012 Fiscal Year Research-status Report
院内保育所を通じた看護師のキャリア継続のための支援に関する総合的研究
Project/Area Number |
24792417
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
西村 実穂 東洋大学, ライフデザイン学部, 助教 (50611381)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 院内保育所 |
Research Abstract |
キャリア継続のための教育に関する研究として、看護系大学のシラバスの分析、キャリア教育に関する情報収集および院内保育所保育士に対するヒアリング調査を行った。看護系大学のシラバスの分析では、養成課程においてキャリアに関連する教育としてどのような内容が扱われているのかについて調査を行った。その結果、キャリアに関連した内容を含む講義では個人としての生活と職業の継続やキャリアアップを関連付けて考えることよりも、看護職としてのキャリアアップや組織の管理者としての後輩や看護学生の人材育成といった意味での継続教育の方法や情報を伝えることに重点がおかれていることが確かめられた。 また、研究実施のための基礎的資料収集として、大学生および看護師に対するキャリア教育のほか、医療職者に対するキャリア教育に関連する文献、看護師の勤務環境や子育てに関する文献を収集した。そのなかで医療事情や看護師の勤務が日本と類似した状況にあるフランス、イギリス、ドイツにおける看護職の子育てと勤務の両立に関する情報収集の必要性が生じ、フランス、イギリス、ドイツの病院における資料収集を実施した。さらに、キャリア教育実施のための資料を得ることを目的とし、学会への参加や看護学生に対するキャリア教育を研究する研究者との情報交換を行い、看護学生に対するキャリア教育として扱う内容、教育方法について意見交換を行った。 院内保育所保育士に対するヒアリング調査では、院内保育所の子どもの入れ替わりによる保育計画の立てづらさ、設備が未整備であることによる保育実施の困難さなど、院内保育所の保育における課題があることが確かめられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
看護師のキャリア教育の文献検討を行うなかで海外の状況調査の必要が生じ、それを優先したために院内保育所保育士に対するヒアリング調査が予定どおり進まず、予定よりもやや遅れている状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度以降は院内保育所の保育内容の検討のため、引き続き保育者に対するヒアリング調査を実施し、院内保育所の保育計画立案時の工夫や人数変動に対応するために必要な配慮等について検討する資料を得る予定である。 また、ヒアリング調査結果をもとに全国の院内保育所保育士を対象として院内保育所において提供する保育内容、保育サービスの実施状況とそれに対する意識を尋ねる質問紙調査を行う。これらの結果をもとに、院内保育所における保育の特殊性に配慮した保育計画の立案方法を検討する。 看護職に対するキャリア教育の実施については、当初看護職を対象としたいと考えていたが、養成課程におけるキャリア教育を実施することも視野にいれ実施について検討する。また、医療機関における看護師に対するキャリア教育実施状況の把握のため、385ヶ所の病院を対象とした質問紙調査を実施する。調査を実施する。調査内容は看護師の生活キャリアに関わる院内教育や研修の内容、実施の頻度、また、子育て支援対策に関する取り組みの有無、院内保育所の設置状況とする予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初、看護系大学(約200校)におけるシラバス調査を郵送により実施する予定であったが、インターネットを用いた調査に変更したことにより郵送費が不要になったため、繰越額が生じた。また、院内保育所保育士に対するヒアリング調査よりも看護師のキャリア教育に関する情報収集を優先したことにより、ヒアリング調査のための旅費と情報収集のための旅費、文献収集費用との差額が生じたため繰越額が生じた。 翌年度以降は院内保育所の保育内容の検討のため、引き続き保育者に対するヒアリング調査を実施し、院内保育所の保育計画立案時の工夫や人数変動に対応するために必要な配慮等について検討する資料を得る予定である。 看護職に対するキャリア教育の実施については、当初看護職を対象としたいと考えていたが、養成課程におけるキャリア教育を実施することも視野にいれ実施について検討していく予定である。
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Research Products
(1 results)