2014 Fiscal Year Annual Research Report
病院組織に勤務する看護師における世代継承性モデルの開発と検証
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24792420
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
藤原 史博 兵庫県立大学, 看護学部, 助教 (00584210)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 看護管理学 / 人材育成 / 世代継承性 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、中~大規模病院に勤務する看護師長ならびに看護部長に対して個別面接調査を追加的に実施し、理論的飽和を迎えた。これにより、研究代表者が着手している世代継承性研究全体としては、結果的に計67名の看護師(中堅看護師:24名、看護師長:28名、看護部長:15名)からの協力を得るに至った。 分析は、それぞれの対象についてM-GTAに準じて実施した。分析の過程で、面接データを重ねて通読する際に、語っている対象が曖昧であった箇所や、複数パターンの意味の解釈が可能となっていた箇所、センテンスの意味の読み取りが難解であった個所が複数個所見られた。より着実なモデル開発とすべく、必要に応じてインタビュイーに事後的にコンタクトをとることとし、検証作業と並行させつつ分析ならびにモデル構築を実施した。 分析の結果、中堅看護師、看護師長、看護部長に共通してみられたコアとなるカテゴリーは≪私がいなくなったとしてもやっていける≫であり、この状態となることを潜在的に意図していることが明らかとなった。この状態となることを実現するために、職位が上がっていくにつれて、先達あるいは上司から一方向的な伝授を施すというよりも、後進あるいは部下が主体的に思考したり意思決定できるプロセスを重視していた。そうした後進あるいは部下の自主性を重んじるプロセスの渦中では、先達あるいは上司は≪耐える≫ことの必要性が説かれていた。≪耐える≫ことは、必ずしも不快な事柄のみを耐え忍ぶのではなく、後進や部下がどのような意思決定を成したり問題解決を図ろうとしているかについて、却って期待することへの心地よささえ見出しているデータが散見された。 さらに、世代を継承するには、対象に継承するに足る「源泉」を自らが持ち合わせておくことの必要性が明らかとなったが、これは≪後進や部下がいるおかげで自らも成長できる≫のコアカテゴリーに含まれていた。
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Research Products
(1 results)