2013 Fiscal Year Research-status Report
心臓血管外科領域における術後せん妄発症予測スケールの開発
Project/Area Number |
24792428
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
寺内 英真 信州大学, 医学部, 講師 (60377679)
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Keywords | 術後せん妄 / 発症予測 / 発症要因 / 周手術期看護 / スケール開発 |
Research Abstract |
本研究は、術後せん妄発症予測スケールの開発を目指し、①術後せん妄の発症状況と発症要因の把握、②発症要因の重みづけを行い発症予測因子を探索する、③術後せん妄発症予測スケールの開発の3つを明らかにすることを目的に実施するものである。 この目的を達成するために、平成24年には文献検討とせん妄研究者との術後せん妄発症予測に関連する要因の検討を実施した。平成25年では先行研究で得られた結果を基に、調査で使用する発症予測因子として含めデータ収集用紙の改訂を行った。内容としては、内科系患者のせん妄発症因子として、不眠、ベンゾジアゼピン系の薬剤の使用、不安、入院に対する不納得・不満、見当識低下、排泄への不適切な対処など9因子が挙げられていたことからこれらの内容を含めている。また、他の先行研究においても、高齢、視覚障害、認知機能・見当識障害、多剤使用、低栄養状態などの因子の関与についても述べられていたため、血液検査データおよび術後に使用される薬剤についても調査項目に加え、「術後せん妄発症要因調査表」を作成した。これらの調査項目については、せん妄研究者と臨床看護経験3年以上の研究協力者による内容妥当性についても検討・確認している。さらに、研究フィールドの過去の手術実績などの状況調査を実施し、最終的な症例数の概算の算出と統計学に精通した教員との相談し、研究実施に必要な具体的な症例数について検討した。この結果をもとに、最終版の研究計画書の検討と作成をしており、さらに症例数の確保のため、研究フィールドの開拓を実施している。 現在、信州大学医学部医倫理委員会および研究協力施設への計画書の提出と各研究施設での研究実施のための調整として研究施設‐研究者での役割の確認、研究期間などの調整を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
心臓血管外科患者を対象とし、ある程度疾患・症例の属性を制限するため、症例数確保が難しい。このため研究フィールドの開拓に時間がかかってしまい当初の予定より研究の進行が遅れてしまっている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度6月には信州大学医学部医倫理委員会に研究計画書を提出し、その承認を受けた上で術後せん妄の発症状況とケア介入の実際についてのデータ収集を行う予定である。その後、術後せん妄発症に関わる因子について臨床経験4年以上の看護師及びせん妄研究者での検討会を行い因子の抽出を行う。抽出された因子の重みづけを行い、術後せん妄発症予測スケールの原案の作成をした上でパイロットスタディを実施する予定である。これらの検討を経て、術後せん妄発症予測スケール(第1版)の作成までを本研究で実施したいと考える。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究計画実施の遅延に伴い、次年度繰越金が生じた。 本年度は、研究施設へのデータ収集が行われるため、交通費や人件費などの変更が必要と考えている。元々の平成26年度の助成金使用計画では、物品費100,000、旅費450,000、人件費250,000、その他100,000であったが、前年度からの繰り越し残額100,000を旅費と人件費分配し、旅費500,000、人件費300,000として使用する予定である。
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