2012 Fiscal Year Research-status Report
新規糖尿病足潰瘍発症リスク評価指標の開発‐非接触型静脈可視化装置を用いた検討‐
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24792431
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
澄川 真珠子 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (20432312)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | フットケア / 糖尿病足病変 / 専門外来 |
Research Abstract |
糖尿病患者に対するフットケア実態把握を目的に日本糖尿病学会の認定及び教育関連施設624施設に郵送式質問紙調査を実施し144施設から回答を得た。 施設概要:看護体制7対1の施設75.2%、非潰瘍性足病変までの患者にフットケア実施施設66.0%、専門外来設置施設61.7%、専門外来として定期的にフットケア実施施設94.3%、専門外来でのフットケア実施状況:1か月あたり延べ30.4±53.3(2~300)人、17.5±28.6(0~192)時間、専門外来設置部署が看護部である施設25.3% 足潰瘍発症リスク評価:靴の観察、姿勢、セルフケア状況の把握は看護体制7対1及び専門外来設置施設で有意に行われていた。ただし、姿勢の観察は実施頻度が70%未満であった。一方、足の観察、振動覚、アキレス腱反射、動脈触知、ABI、SPPは、施設間で有意差なし。フットケア介入内容:生活指導、爪切りは専門外来設置施設で有意に行われていた。一方、陥入爪、爪白癬、胼胝、鶏眼、角質の処置は、施設間で有意差なし。フットケア評価:爪切り、陥入爪、爪白癬、胼胝、角質の処置、生活指導の評価は専門外来設置施設で有意に行われていた。一方、鶏眼の処置については施設間で有意差なし。 全国施設におけるフットケア現状の一端を明らかにした。専門外来設置施設や看護体制7対1では、足潰瘍発症リスク評価、フットケア介入内容、フットケア評価のいずれも多く実施されており、意識の高いことが示される一方、姿勢の観察がなされていないなど施設により実施項目のばらつきがみられた。全体のフットケア向上には、専門外来を設置していない施設への啓発と実施施設でのフットケア内容の統一化が課題であると考えられる。次年度、非接触型静脈可視化装置を使用してデジカメで撮影した足画像が足潰瘍発症リスク評価指標になりえるかを検討するため、撮影状況の設定について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
糖尿病患者に対するフットケア実態把握を目的に日本糖尿病学会の認定及び教育関連施設624施設に郵送式質問紙調査を実施し144施設から回答を得たことによって、研究の第一段階である全国施設におけるフットケア現状の一端を明らかにした。専門外来設置施設や看護体制7対1では、足潰瘍発症リスク評価、フットケア介入内容、フットケア評価のいずれも多く実施されており、意識の高いことが示される一方、姿勢の観察がなされていないなど施設により実施項目のばらつきがみられたことが明らかとなった。また、多くの施設において、時間や人手不足の問題が課題となっており、足潰瘍発症リスクを把握するために、簡便に迅速に評価できる指標の開発の必要性が示唆されたため、平成25年度の計画を進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度においては、非接触型静脈可視化装置を用いて、静脈指認部位の撮影画像を定量化し、足関節上腕血圧比(Ankle Brachial Pressure Index;ABI)や皮膚組織灌流圧(Skin PerfusionPressure;SPP)との相関の検討およびこれらを3次元プロットし、血管障害や足病変の解析・検討をする。対象は、糖尿病患者30名、健常者(看護学科学生)30名である。足状態については、胼胝・鶏眼、白癬・爪白癬、陥入爪、靴擦れ、潰瘍の有無、足の自覚症状も合わせて評価する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
SPP測定装置を購入予定であったが、予算不足により購入ができないため、レンタル料と(30万円程度)でリースできないか業者に相談中である。また、物品費として、画像解析ソフト(10万円)、統計解析ソフト(40万円)を購入予定である。また、鮮明な足画像を撮影するため、一眼レフカメラ(20万円)を購入予定である。また、国内学会での発表および参加のための参加費と旅費(20万円)、国際学会での発表および参加のための参加費と旅費(40万円)が必要である。また、データ収集する際の補助業務を行う人件費として謝金(5万円)、文房具やUSBメモリーなどの雑費(5万円)を予定している。
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