2013 Fiscal Year Research-status Report
治療を経験した乳がん患者のレジリエンスを支える看護モデルの構築
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24792432
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
高取 朋美 岡山大学, 保健学研究科, 助教 (90553983)
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Keywords | 乳がん / resilience |
Research Abstract |
本研究は、初期治療として手術を受けた初発乳がん患者のresilience(以下、レジリエンスとする)の構造を明らかにすることで、乳がん患者に必要な看護の示唆を得ることを目的としている。 レジリエンスは、人が逆境にもかかわらず精神的健康や社会的適応行動の維持、回復に向かうプロセスを説明する概念である。まだ一般的とはいえない概念であるため概念分析が必要であると考える。よって、概念分析に用いる資料を収集し、Walker & Avantの概念分析の手法を用いて分析を行っている。 本研究の目的である初期治療として手術を受けた初発乳がん患者のレジリエンスを明らかにするために、研究対象者に手術後1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月、1年の計4回の半構造化面接を実施することで、乳がんと診断されてから治療を行う中でどのように困難を乗り越えているかを聞き取り、縦断的に調査している。平成26年4月1日時点で、12人の研究対象者から協力を得て、延べ41回の面接を実施した。そのうち6人のデータ収集が終了した。データ収集と並行して修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(以下、M-GTAとする)によるデータの分析を行っている。M-GTAによる分析は、許可を得て録音したインタビューの内容を文字におこし逐語録としたものをデータとする。データのなかで着目した部分の意味を考え、適切に表現するため意味の解釈を行い、概念を生成していく。現在は、この概念生成の段階にある。 また、本研究開始以前に実施した乳がん患者のレジリエンスに関する研究を論文としてまとめ、学術雑誌に投稿し、掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データ収集を1年間縦断的に行っており、対象者になかにはデータ収集開始が平成25年8月から開始した対象者もいるため、データ収集の終期が予定より延長している。対象者1人に対するデータ収集期間は1年間と区切っているため、平成26年8月頃にデータ収集終了を予定しており、今後はこれ以上の遅れはないと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
レジリエンスの概念分析を実施する。 現在協力が得られている研究対象者のデータ収集を継続して行い、得られたデータの分析を行う。データ収集の終期は平成26年9月を予定している。以降は、個別の分析を行った後に全体のデータ分析を行う。 分析手法はM-GTAを用いているため、手順としては個別のデータを分析し概念を生成し、全体の分析でさらに概念生成を行い、カテゴリーを作っていく。さらに概念同士やカテゴリーとの関係性をみて解釈を深め、結果図とストーリーラインに分析結果をまとめていく。個別の分析をデータ収集と同時に行っていくことでできる限り効率よく進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究の進捗がやや遅れたことで、想定していたよりも支出が抑えられた。また、学会参加や研修に行けた回数が少なかったため。 学会やセミナー参加により本研究に関連した情報を収集するための使用を検討している。また、文献の取り寄せや書籍の購入にも使用する予定である。 また、インタビューの音声データを書き起こす際に業者に依頼しているためその報酬として使用する。さらに、データの保存、管理のための設備やUSBやファイル等の消耗品購入に使用を予定している。
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Research Products
(1 results)