2014 Fiscal Year Annual Research Report
治療を経験した乳がん患者のレジリエンスを支える看護モデルの構築
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24792432
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
末田 朋美(高取朋美) 岡山大学, 保健学研究科, 助教 (90553983)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 乳がん / resilience / がん看護 / 適応 / 手術 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年わが国での乳がん罹患は増加し続けいているが、乳がんの5年相対生存率は80%を超えており、乳がんは治療により長期生存が可能であるといえる。一方で、乳がん治療は外来での治療が中心になることから、乳がん罹患とその治療に伴う困難や苦痛、日常生活への影響、再発や転移に対する不安や将来の不確かさに直面した乳がん患者は、それらに自分自身の力で対処しなければならない。 人が逆境にもかかわらず精神的健康や社会的適応行動を維持、回復することを説明する概念にresilience(以下、レジリエンスとする)がある。がん看護領域においてレジリエンスが患者のQuality of life(以下、QOLとする)向上に貢献するとして関心が高まっており、乳がん患者においてもレジリエンスがQOLに影響を及ぼす要因であるといわれている。しかし、その定義は曖昧であるため、本研究の一部としてレジリエンスの概念分析を行いがん患者のレジリエンスの再定義と類似概念との識別を行った。 レジリエンスを支える看護によって、直面する問題に対処しなければならない乳がん患者のもつ力を引き出すことができると考え、乳がん患者が治療を経験する中で直面する困難および日常生活への影響に対処することで心理社会的に適応していく過程を縦断的に調査した。乳がん患者においてレジリエンスがどのように発現するかそのプロセスを明らかにすることを目的に、初期治療として手術療法を受けた初発乳がん患者11名を対象に術後から1年間にわたって3~4回のインタビュー調査を行った。データ収集期間は2012年11月~2014年9月である。データ分析の手法は、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いた。最終年度にデータ収集を終え、質的研究を専門とする研究者にスーパーバイズを受けつつデータ分析を行った。今後分析したデータを論文としてまとめ公表する予定である。
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