2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24792433
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
立野 淳子 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90403667)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 終末期ケア / ICU |
Research Abstract |
【目的】わが国のICUにおける終末期ケアの現状を明らかにすること。【方法】集中治療専門医を有する全国の医療施設の集中治療部からサンプリングした2000名(医師500名、看護師1250名、看護管理者250名)を対象に、平成24年10月~11月の期間に、質問紙を用いた郵送調査を実施した。調査内容は、終末期の判断、意思決定支援、医療チームと患者、家族間のコミュニケーションおよびサポート、症状管理と安楽ケア、終末期ケアに関する組織的支援体制(看護管理者のみ回答)とした。【結果】回答者数は、医師214名(回収率42.8%)、看護師661名(回収率52.9%)、看護管理者60名(24.0%)であった。1.「終末期の判断」は、「複数の医師で判断」と回答した者が581名と最も多かった。2.意思決定支援の平均得点(範囲:1点~5点)が最も高かった項目は、「家族への病状や治療方針に関するインフォームドコンセント」の4.53点であった。最も得点が低かったのは「家族内の意思の対立への介入」の2.44点であった。3.医療チームと患者、家族とのコミュニケーションおよびサポートの平均得点が最も高かった項目は、「家族との毎回のコミュニケーションの機会」の4.69点であった。4.症状管理と安楽ケアで平均得点が最も高かった項目は、「不必要なラインの整理や検査の差し控え」の4.19点で、最も得点が低かったのは「患者のケアカンファレンスへの参加」の1.33点であった。5.終末期ケアに関する組織的支援体制で終末期ケアに関するマニュアル・ガイドラインが「有」と回答した割合は21名(35.6%)であった。終末期ケアを担当する医療者へのメンタルケアの体制が「有」と回答した者は16名(26.7%)であった。【考察】本調査によりわが国のICUにおける終末期ケアの現状を示す貴重な資料を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の計画は、わが国のICUの終末期ケアの現状を医療者へのアンケート調査から明らかにすることであった。この目的を達成するための調査は終了している。調査結果の公表については、平成25年度に関連学会への学会発表および論文投稿を予定しており、概ね計画通りに順調に進展しているといえ、次年度の計画に進んでいける予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度には、平成24年度に行った「わが国のICUにおける終末期ケアの現状」について関連学会での学会発表および論文投稿を計画している。同時に、平成25年度の計画である「わが国の集中治療における終末期ケアの質の指標の構築」をめざし、ICU で終末期ケアを実施している医師,看護師,実際に終末期ケアを受けた患者家族を対象にしたインタビュー調査を実施する予定である。目標症例数は、医師10名、看護師10名、患者家族20名とする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は、アンケート調査の返信を後納郵便としたが、予定よりも返信数が少なかったことで郵送料が予定を下回ったこと、成果発表を年度内に予定していたが、次年度に繰り越しとなったことから未使用額が生じた。この未使用額は、平成25年度の成果旅費に充てる。平成25年度の主な支出は、成果発表旅費、インタビュー調査を実施するための調査研究旅費、研究補助費(データ収集補助)、データ分析および保存のためのパーソナルコンピューター、データ収集のためのICレコーダー等になる見込みである。
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