2013 Fiscal Year Research-status Report
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24792433
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
立野 淳子 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90403667)
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Keywords | 終末期ケア / ICU |
Research Abstract |
平成25年度は、平成24年度に実施した「わが国のICUにおける終末期ケアの現状と医療者の認識」の研究を、第15回日本救急看護学会学術集会(平成25年10月)にて口頭発表し、その後、日本クリティカルケア看護学会雑誌に投稿した(平成26年4月受理)。この研究によって、ICUで終末期ケアに携わる医療従事者が、終末期の意思決定支援を最も困難に感じていることが明らかになった。そこで、一般病棟との違いを明らかにするために、国内の大規模病院の一般病棟に勤務する看護師100名を対象に同調査を実施した。結果、一般病棟看護師も同じように意思決定支援を最も困難に感じていることが明らかになった。終末期における意思決定支援の困難さは、ICUに特有のことではないが、患者背景や病状の進行、患者や家族との関係性などの違いにより困難に感じている内容に特徴があることが見出せた。次に、平成25年度は、本研究の最終目的である「ICUにおける終末期ケアの質の指標」を明らかにするための調査に着手した。文献検索を行った結果、これまでICU領域における終末期ケアの研究では、医療従事者の視点から終末期ケアの在り方を模索するものが多く、患者やその家族の視点から質の指標を明らかにしたものはみつからなかった。本研究では、ICUで終末期にあると判断された患者の家族の視点から終末期ケアの質の指標を見出すことに意義があると考えた。対象者は終末期患者家族30名で、看護師が通常の家族看護を行っていく中で終末期患者家族が語った思いやニードなどについて記録してもらい、データとする。データは、内容分析の手法で分析し、終末期患者家族が捉える質の指標を探索していく。現在は、研究への参加に同意の得られた5施設で、院内の倫理審査委員会の審査が終了し、順次データ収集を開始している段階である。これまでに4例の終末期患者家族からデータ収集を終えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3年間にわたる研究のうち、2年が終了した。最終目標である、「ICUにおける終末期ケアの質の指標の構築」に向け、最終研究に着手できており、おおむね順調に進んでいる。最終年度には、データの公表まで終了できると予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度には、「ICUにおける終末期ケアの質の指標の構築」に向け、現在行っているデータ収集を継続する。目標対象者数である30名に達した時点でデータ収集終了とし、内容分析の手法でデータ分析を行う予定である。平成26年度中には、日本クリティカルケア看護学会雑誌への投稿を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
データ入力や集計、英文献の検索、翻訳等の謝金が計画よりも低額で実施できたため。 現在行っているデータ収集のための文房具やデータ保存のデバイス購入にあてる予定である。
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Research Products
(2 results)