2012 Fiscal Year Research-status Report
外来がん化学療法を受ける患者の口腔粘膜炎に対するセルフケア支援プログラムの構築
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24792436
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
光井 綾子 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90457367)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | セルフケア / 外来がん化学療法 / 口腔粘膜炎 |
Research Abstract |
本研究の目的は、外来がん化学療法を受ける患者の口腔粘膜炎に焦点を当て、患者のセルフケアの実際や家族の対処および困難、看護師の支援・教育の現状と課題を明らかにし、セルフケア支援プログラムを構築することである。24年度は、がん化学療法による口腔粘膜炎とその支援に関する文献検討を行った。また、A県内のがん診療連携拠点病院の外来化学療法室に勤務する看護師8名に対しインタビューを実施し、外来がん化学療法を受ける患者の口腔粘膜炎に対するセルフケア支援・教育の内容を質的に分析した。その結果、歯磨き・含嗽のタイミングと根拠、含嗽薬の選択や口腔内の乾燥による影響、口腔粘膜炎が起こりやすい時期、口腔ケアならびに治療前の歯科受診の必要性、口腔ケア物品の選択方法などの知識の提供、口腔内の観察と保湿方法、歯磨き・含嗽方法、義歯の取り扱いなどの技術の提供、また、患者のセルフケアを見守る、出来ていることを認め称賛する、活用できる資源の紹介といった支援内容が明らかになった。これらの介入は、外来化学療法のオリエンテーション時や治療日、診察日に実施され、診察の待ち時間や治療中、治療後などの時間を活用して実施されていた。対象者は、全員に実施する施設もあったが、主に口腔粘膜炎の発生率が高いレジメンや関わりの中で気になった患者、要望などから意図的に選択していた。家族に対しては、患者の年齢や理解度、PSに応じて介入していた。教育手段はパンフレットが主であったが、対象に応じてデモストやその場で実践してもらうなどの方法も取り入れていた。また、自己管理ノートや患者手帳が一部の施設で活用されていた。看護師は、患者の生活習慣や普段の口腔ケアの方法を聞き出し、改善点やその人が出来る方法を見出す関わりを行っていた。現状の課題として、予防的介入の困難性、病棟との連携および化学療法前後の関わりの強化、家族支援などが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
24年度は、がん化学療法による口腔粘膜炎とその支援に関する文献検討を行い、がん診療連携拠点病院の外来化学療法室に勤務する看護師へのインタビュー調査を実施し、外来化学療法を受ける患者の口腔粘膜炎に対するセルフケア支援・教育の実際と現状の課題を明らかにすることができた。現在、患者・家族を対象としたインタビュー調査を進めている。今後は、これらの調査結果を基に、国内のがん診療連携拠点病院の看護師に対する質問紙を作成し調査を実施する予定である。現在までの達成度としてはおおむね順調に進んでいると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度は、外来がん化学療法を受ける患者とその家族へのインタビュー調査の結果の分析を進めていく。また、これまでの分析結果を基に、国内のがん診療連携拠点病院の看護師を対象とした質問紙調査を実施する予定である。得られた結果より、外来がん化学療法を受ける患者の口腔粘膜炎に対する支援内容、支援時期、支援方法について、効果的な構成内容と方略を検討し、セルフケア支援プログラムを作成する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の質問紙調査を進める上での印刷費や郵送費、通信費、国内外の文献や図書の購入を予定している。また、研究成果を発表するために必要な学会参加費及び旅費、論文投稿料や英語論文校正費等を予定している。
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