2013 Fiscal Year Annual Research Report
外来がん化学療法を受ける患者の口腔粘膜炎に対するセルフケア支援プログラムの構築
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24792436
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
光井 綾子 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90457367)
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Keywords | セルフケア / 外来がん化学療法 / 口腔粘膜炎 |
Research Abstract |
本研究は、外来がん化学療法を受ける患者の口腔粘膜炎に焦点を当て、セルフケア支援プログラムを構築することを目的とする。 平成25年度は外来がん化学療法を受ける患者の口腔の状態やセルフケアの実態、患者の療養生活を支える家族の対処や困難について半構成的面接調査ならびに質問紙調査を実施し、患者のセルフケアの実施や継続を促進する要因・困難にする要因について分析した。その結果、促進要因として「初期教育」「記憶に残る教育的アプローチ」「口腔ケアの効果の実感」、困難にする要因として「口腔内症状が無いこと」「口腔内の症状に対する安易な受け止め」が明らかとなった。また「口腔ケアの習慣」が患者のセルフケア行動に影響する一方、「家族の声かけや気遣い」は影響を及ぼさなかった。 次に、がん診療連携拠点病院の血液内科ならびに消化器系の病棟に勤務する看護師を対象に、口腔粘膜炎に対するセルフケア支援・教育の実態および認識について質問紙調査を実施した。セルフケア支援・教育の対象は主に患者であり、介入時期は化学療法前が最も多かった。教育内容は、口腔ケアの重要性、うがいの方法、口腔粘膜炎が起こりやすい時期などであった。媒体はパンフレットが主であり、DVDなど視聴覚教材の活用はなく、介入はそれぞれ個々に実施されていた。看護師の認識として、口腔粘膜炎に対するセルフケア支援・教育の対象は患者が基本であるが、家族も対象とすべきと多くが回答していた。また、口腔粘膜炎に対する予防的関わりの重要性をほとんどの看護師が認識していた一方で、約4割の看護師は予防的関わりを困難と認識していた。 これらの結果から、外来がん化学療法を受ける患者の口腔粘膜炎に対するセルフケア支援プログラムには、化学療法導入前からの初期教育の充実、視聴覚教材の活用などアプローチ方法の工夫、病棟・外来間のシームレスな継続的支援の必要性が示唆された。
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Research Products
(1 results)