2013 Fiscal Year Annual Research Report
人工股関節全置換術を受けた患者の自己管理支援システムの検討
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24792444
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Research Institution | Miyagi University |
Principal Investigator |
木下 美樹 (岩岡 美樹) 宮城大学, 看護学部, 助教 (40464507)
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Keywords | THA / 自己管理 / QOL / 継続看護支援 |
Research Abstract |
最終年度のH25年度は、術後年数がTHAを受けた患者の自己管理やQOLに及ぼす影響を比較検討するために、股関節疾患患者に同意を得て、アンケート調査を行った。評価尺度は、SF-36、WOMAC、申請者が作成した自己管理等で評価した。回収できたアンケートのうち52名を研究対象とした。対象者の平均年齢は、65.29歳(±7.3)、術後平均年数は、7.26年(±6.3)であった。自己管理は、脱臼予防は7割、感染予防は5割、生活の工夫は9割、リハビリ・運動の継続は約7割が実施していた。SF-36、WOMAC、自己管理を術後3年未満を1G(14名)、術後3年以上10年未満を2G(22名)、術後10年以上を3G(16名)の3群に分けて検討を行った結果、術後年数3群とWOMACの比較においてこわばりで有意差(p=0.01)がみられたが、SF-36、自己管理では有意差は認められなかった。 自己管理の影響要因として有意なものとして抽出された結果から、術数年数が長くなると脱臼予防を行っていない傾向があり、PCSが高いほど感染予防を行っている傾向があり、職業がない人、手助けがある人、MCSが高い人がリハビリ・運動を継続している傾向があった。QOLの影響要因の検討からは、日常生活困難度が低いこと、手助けをしてもらっていないこと、感染予防を行っていること、生活の工夫を行っていないことがPCS上昇に関連していた。また、生活の工夫を行っていること、リハビリ継続困難感がないことがMCS上昇に関連していた。さらに、相談相手がいること、日常生活困難度が低いことがRCS上昇に関連していた。 今回の調査では、自己管理とQOLの関連が認められ、術後年数が長くなるほど自己管理への認識も薄れていくのではないかと考えられた。また対象者の7割は日常生活の困りごとを抱えていたことや、術後数年が経過して再置換術の時期に近づいていることから、悩み事の相談や自己管理への認識に介入する為の個別的な継続支援が必要である。
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