2012 Fiscal Year Research-status Report
携帯型情報端末を用いた乳がん治療オリエンテーションプログラムの開発と有効性の検証
Project/Area Number |
24792468
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
渡邊 知映 昭和大学, 医学部, 助教 (20425432)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 乳癌 / がん看護学 / 乳房再建術 / インフォームドコンセント / 患者教育 / IT |
Research Abstract |
乳癌手術に関連した乳房再建術の適応と選択は、患者個人の価値観のみでな く、再発、術後放射線治療の可能性など臨床背景も含めて考慮する必要がある。その一方で、診断から治療方針決定までの短い時間で適切な情報提供を行い、患者が納得した術式選択を行うことは困難な状況がある。本年度は、患者の乳房再建術への意思決定のプロセスを促進するために携帯情報端末を用いたICツールの開発を行った。 乳房再建ICツールの開発にあたり、すで乳房切除術をうけ、同時再建術を施行された患者と再建術を受けていない患者6名にグループインタビューを行い、情報ニーズの分析を行った。術式選択に影響を及ぼす情報ニーズには整容性の評価、身体的浸襲・安全性、経済的負担、対側再発時への影響が挙げられた。その結果をもとに、乳房再建全体のアルゴリズム、術後の画像、手術イメージCG等を組み込んだ乳房再建ICツールを作成した。開発した乳房再建ICツールを携帯情報端末(iPad)を用いて乳房切除術を考慮している患者7名に対してpilot studyを行った。乳房再建ICツールによる説明は、動画や実際の術後の画像を取り入れることにより、より術後のイメージ化を図ることが可能となった。また、任意の説明箇所をタップやピンチ操作でズームイン/アウトすることや、タップ操作のみで一通り内容を学習することができることにより、患者個々のニーズに対して効率的に情報提供できるとともに、患者自身が外来での待ち時間などを利用して、繰り返し学習することが可能となり、患者参加型の医療を推進することが示唆された。来年度はICツールを用いた場合の、術式選択の意向の変化、術後の患者満足度等を評価指標とした有効性の検証研究の実施を計画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度計画していた携帯情報端末を用いたインフォームドコンセントツールの作成は予定通り実施することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、新たなICツールの作成を行うために、乳腺外科医および腫瘍内科医、がん専門看護師等とのオブザーバー会議を計画している。来年度は、介入研究を行うため、対象者リクルートについて、臨床との連携をより強化する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
来年度は、乳房再建術ICツールの改訂を行うに当たり、新規にCGによる手術動画を作成する予定である。また、無作為化比較試験を行うに当たり、データマネージメント費用として使途を計画している。 開発の実際と介入調査の結果について、国際学会での発表を予定しており、その渡航費としての支出を計画している。
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