2014 Fiscal Year Research-status Report
急性心筋梗塞患者のセルフケア能力の獲得を目指した双方向型教育プログラムの開発
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24792473
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Research Institution | Baika Women's University |
Principal Investigator |
稲垣 美紀 梅花女子大学, 看護学部, 准教授 (60326288)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 心筋梗塞患者 / セルフケア / QOL |
Outline of Annual Research Achievements |
研究者が開発したセルフケア測定尺度を用い、心筋梗塞患者のセルフケアモデルを検討し、セルフケアに関連する要因を明らかにした。対象は、外来通院又は検査入院の心筋梗塞患者225名であった。方法は、無記名自記式質問紙で、外来又は入院中に依頼した。調査内容は、開発した心筋梗塞患者のセルフケア測定尺度(「心臓を守る日常生活上のセルフケア」「習慣的な運動と運動の調整」の2因子計38項目)、堤らの地域住民用ソーシャルサポート尺度(以下ソーシャルサポート尺度)、山本らの自尊感情尺度、前田のA型傾向判別表、福原らの健康関連QOLの包括尺度SF-36日本語版(以下SF36)を使用した。個人的要因として、年齢、性別、経過期間などを調査した。分析は、セルフケアに関連する要因について、共分散構造分析を行った。SF36のスコアは、身体的側面のQOLのサマリースコアを身体的QOL、精神的側面のQOLのサマリースコアを精神的QOLとして、使用した。個人的要因とセルフケアに関連する要因との関連は、t検定および一元配置分散分析を行った。192名から有効回答(91.0%)を得た。共分散構造分析を行い、心臓を守る日常生活上のセルフケア、習慣的運動と運動の調整、ソーシャルサポート、身体的QOL、精神的QOL、BMI、PCI回数の8因子の因果関係が示すモデルが得られた。習慣的な運動と運動の調整は、身体的QOLと精神的QOLの改善、PCI回数の減少に影響していた。心臓を守る日常生活上のセルフケアはBMIの改善に影響していたが、身体的QOLは悪化させていた。セルフケアモデルに関連する個人的要因は、年齢、性別、経過期間などであった。心臓を守る日常生活を過度に実施することで生活が制限され、QOLの低下が考えられた。QOLの向上には、患者に可能な運動を見極め、運動の継続を支援することが重要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りに、研究者が作成したセルフケア測定尺度を使用し、心筋梗塞患者のセルフケアに関連する要因とセルフケアの因果関係モデルを明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
明らかにされた心筋梗塞患者のセルフケアに関連する要因と因果関係モデルをもとに、心筋梗塞患者のセルフケアをサポートするプログラムを開発し、運用体制などを検討する。
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Causes of Carryover |
平成26年度は、セルフケアモデルをサポートするためのプログラムについて、研究結果に基づいて企画している段階であり、具体的に予算を使用し、作成する段階にまで至っていないため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
心筋梗塞患者のセルフケアをサポートするためのプログラムのコンテンツを作成するための費用、作成したプログラムについてのヒアリングや運用体制を整備するための費用などに使用する。
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