2013 Fiscal Year Research-status Report
終末期医療で働く看護師のための信念対立評価システムの開発
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24792478
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Research Institution | Kibi International University |
Principal Investigator |
京極 真 吉備国際大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (50541611)
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Keywords | 信念対立 / 信念対立解明アプローチ / 尺度開発 |
Research Abstract |
【目的】本研究の目的は,信念対立評価システムを開発することであった. 【方法】本研究は標準的な尺度開発法であるCOSMINを参照して実施した.平成24年度に開発した項目プールを,3000名の看護師に配布し,回答してもらい,項目特性(難易度,識別力),因子構造の生成,構造的妥当性,基準関連妥当性(併存的妥当性,予測的妥当性),仮説検証(収束的妥当性,弁別的妥当性,尺度化成功率)を検討した. 【結果】1683名の看護師から協力が得られた.項目特性の検討は潜在ランク理論で実施し,項目参照プロファイルから項目の難易度と識別力を推定し,平均値とSDは164.665±32.926だったので,SDの下限からでる項目(識別力の低い項目)を削除した.因子構造の生成は探索的因子分析(最尤法,プロマックス回転)で実施し,最終的に3因子14項目からなる尺度が構成された(CFI=0.984,RMSEA=0.045).構造的妥当性は確認的因子分析(最尤法,完全情報最尤推定法)で行い,生成された因子構造の良好な妥当性が確認された(適合度指標 CFI=0.974,RMSEA=0.048).仮説検証はMultitrait Scaling Analysisで行い,収束的妥当性,併存的妥当性,尺度化成功率ともに良好な結果が得られた.基準関連妥当性は信念対立と職業性ストレッサーの間で中等度から弱い相関が確認され,予測力としては信念対立が職業性ストレッサーの生成に強い影響を与えることが示された. 【考察】以上の結果から3因子14項目からなる信念対立評価システムは良好な尺度特性を有していると考えられた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付時に記載した研究計画書では,当該年度で妥当性と信頼性が確保された尺度構成を行うと予定していた.当該年度はその研究計画書の通り,妥当性と信頼性が確保された尺度を開発することができた.したがっって,おおむね順調に進展していると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
・終末期医療の特性を捉えるために,緩和ケアチームにおける信念対立評価システムの尺度特性を明らかにしていく. ・信念対立評価システムの解釈可能性を高めるために,ストレス反応尺度,バーンアウト尺度との基準関連データを収集し,分析していく. ・信念対立評価システムの実用化を目指して,潜在ランク理論に根ざした項目バンクの管理を進める.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
・調査にかかる送料が予定よりも少額であったために,翌年度分に繰り越すことになった.少額になった理由は,3000名の看護師に調査用紙を渡す際に,一部の対象者は宅急便でまとめて送ることができたからである. ・英文の校正費が当初の予定よりも少額で済んだ.理由は調査に時間がかかってしまい,研究の論文化が予定よりも進まなかったためである. ・使用計画は研究成果を発表するための英語論文の校正費,継続の調査費に充てる計画である.
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