2013 Fiscal Year Research-status Report
採血を受ける子どもをアセスメントするためのプレパレーション・アルゴリズムの開発
Project/Area Number |
24792483
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
佐藤 志保 山形大学, 医学部, 助教 (00512617)
|
Keywords | 小児看護学 / プレパレーション / アセスメント / アルゴリズム / 採血 |
Research Abstract |
本研究の目的は,採血を受ける子どもに行うプレパレーションを子どもの個別性に合わせて効果的に実施するために,採血を受ける子どもをアセスメントするためのプレパレーション・アルゴリズムを開発し,その検証を行うことである(プレパレーションとは,治療や検査を受ける子どもに対して,認知発達に応じた方法で説明し,子どもや親の対処能力を高める環境及び機会を与える援助と定義する)。 昨年度までに,採血を受ける子どもをアセスメントするためのアルゴリズムを作成した。作成は,Mindsの診療ガイドライン作成の手引き2007が活用できると判断し,この手順に則り,文献検索の実施,文献の選択,エビデンスレベルの明確化,アセスメントする推奨の決定を行い,小児看護の専門家のほか,小児科の看護師,医師も研究協力者として加わり議論を重ね,実用可能性も検討することができた。 今年度は,この作成したアルゴリズムの信頼性,妥当性を検討することを目的として調査を実施した。平成24年11月から平成25年5月まで,採血を受ける3-6歳の子どもと保護者を対象に,採血中の子どもの対処行動の評価と,アルゴリズムを用いた子どもの対処能力の評価についてデータ収集し,これらを分析した結果,このアルゴリズムの評定者間信頼性と予測妥当性,感度を確認することができた。 今後,アルゴリズムに合わせたプレパレーション内容を考案し,有効性を検証することにより,子どもの背景を簡便にアセスメントし,必要に応じたプレパレーション内容を示すことができるため,採血を受ける子どもに行うプレパレーションの具体的方法が確立できると考える。また,このアルゴリズムの活用により,採血を受ける子どもへの効果的なプレパレーションが実施できると考える。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究目的は,作成したアセスメント・アルゴリズムの信頼性,妥当性を検証することであった。平成24年11月から平成25年5月まで,採血を受ける3-6歳の子どもと保護者を対象に,採血中の子どもの対処行動の評価と,アルゴリズムを用いた子どもの対処能力の評価についてデータ収集し,これらを分析した結果,このアルゴリズムの評定者間信頼性と予測妥当性,感度を確認することができた。 本年度の研究目的が達成できたことから,順調に進展していると評価できる。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度以降では,検証されたアルゴリズムを活用したプレパレーションの有効性を検証する。アルゴリズムに合わせたプレパレーション内容を考案したのち,このアルゴリズムを活用したプレパレーションの有効性を,介入研究にて検証する予定である。なお,これらは随時,学会で報告し,論文発表を行っていく予定である。 1)アルゴリズムに合わせたプレパレーション内容の考案 アルゴリズムに合わせて,それぞれの子どもに必要なプレパレーション内容を検討する。これは,先行研究で有効性が認められたプレパレーション内容のほか,研究協力者である小児看護の専門家,小児科の看護師,医師と共に議論を重ねて考案する。 2)アルゴリズムを活用したプレパレーションの有効性の検証 小児科外来で採血を受ける3-6歳の子どもと保護者を対象に,通常通りの採血を受けるコントロール群と,アルゴリズムでアセスメントし,それに合わせたプレパレーションを実施して採血を受ける介入群の2群において,採血中の対処行動,採血後の痛みの評価を比較し,アルゴリズムを活用したプレパレーションの有効性を検証する。
|