2012 Fiscal Year Research-status Report
小児がんを持つ子どものきょうだいに病気の説明を行うための親への支援の開発
Project/Area Number |
24792488
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 伊織 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20622252)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 家族看護学 / 小児看護学 / がん看護学 / きょうだい / 小児がん / 説明 / 情報提供 / 情報共有 |
Research Abstract |
集学的治療を必要とする小児がん等の疾患を持つ子どものきょうだいは、環境と家族の変化により大きな心理社会的影響を受ける。家族に対する支援の一つとして、看護師は、親がきょうだいへ病気の説明を行なうことを支援する必要がある。 そこで本研究は、平成24年度から平成26年度にかけて、きょうだいへの情報提供と情報共有により良好な適応を促す介入理論に基づく支援プログラムを開発することを目的とする。平成24年度には、介入理論の発展と支援プログラムの形式・内容の確立、評価に必要なアウトカム指標の開発を行なった。 まず、国内外の、小児がんで入院している子どものきょうだいについての文献を収集し、質的に分析し、情報共有の内容とその効果を整理した。現在行われている効果的な説明の内容が明らかになった。 次に、病気を持つ子ども本人への説明状況の分析を行った。きょうだいへの説明にあたっては、本人への説明状況を無視することはできない。本人への説明がいかに重要であるかという点と、本人への説明状況の実態、そしてその関連要因を明らかにした。 さらに、上記2点の結果から、平成25年度以降の計画に使用するアウトカム指標として、健康関連QOL尺度が必要であると考えられた。疾患を持つ本人が子どもであっても、そのきょうだいも子どもであるとは限らないことから、2歳から18歳まで使用可能であった「子どもの生活の質に関する質問票」を、25歳まで使用可能となるよう、定められた手順に則り日本語版を作成し、尺度としての信頼性・妥当性を検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画と異なった点としては、病気を持つ子ども本人への説明状況の分析において、本人への説明状況の実態とその関連要因を明らかにする前に、まず、これまでの研究で明らかになっている知見に追加することとして、本人への説明がいかに重要であるかという点を明らかにする計画を加え、実施した。 また、海外および日本での実践状況の情報収集を行なう予定であったが、日程の都合により、海外については行わなかった。 こういった計画の追加や一部停止はあったものの、おおむね予定通りに進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き当初の予定通り研究を遂行する。 平成24年度に実施することが出来なかった、海外での実践状況の情報収集については、国際小児がん学会(平成25年9月)等の機会を利用して、平成25年度に実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の予定通り、平成24年度の成果発表に必要な費用(国内旅費、論文投稿料、英文校正費)、平成25年度計画遂行のための消耗品(ソフトウェア、文具)、国内旅費、人件費、文献複写費、平成26年度計画準備のための尺度利用料、質問紙印刷費を使用する予定である。 また、当初は平成25年度には使用を予定していなかった外国旅費(平成24年度に使用しなかったもの)を使用する予定である。
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