2013 Fiscal Year Research-status Report
入院中の病児のいるひとり親家族の家族機能と家族支援の構築
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24792496
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
平谷 優子 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (60552750)
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Keywords | 家族看護学 / 小児看護学 / 家族機能 / ひとり親家族 / こどもの入院 |
Research Abstract |
入院中の病児のいるひとり親家族の家族機能のありようを明らかにし,家族支援策構築への示唆を得ることを本研究の目的とした. 2013年11月から開始した,入院中の病児のいる家族(回答者は父親もしくは母親)を対象とした半構成面接調査とFFFS(Feetham家族機能調査)日本語版Iを用いた質問紙調査には,2014年3月までに21家族(19家族が母親のみ,1家族が父親のみ,1家族が夫婦)が参加した.そのうち,ひとり親家族は3家族であった.回答者の平均年齢は34.5歳(範囲は22~45歳)で,病児の年齢は平均4.1歳(範囲は0~15歳),入院を必要とする原疾患は小児がん,ネフローゼ症候群,胃腸炎など多岐にわたっていた.入院中の病児のいる家族は,入院前と比較し家族機能が変動していたため,家族機能の変動に焦点を当てて分析した.その結果,「環境の変化に伴い増加した家族員の負担」「こどもの入院に関連した心配事の存在」「やむを得ず縮小した家族の役割」「困難に立ち向かうために強化した家族の力」「変化した家族生活に適応するための役割の再配分」「社会資源と周辺支援の取り入れによる家族役割の補完」「家族員の自助努力によるヘルスケア基盤の強化」の7カテゴリーが抽出された.本研究結果は,35th International Association for Human Caring Conference(日本,京都)で発表予定である.また,家族機能を維持・向上するための家族支援策の構築について,Asia-Pacific Nursing Research Conference 2014(台湾,台北)で発表予定である(ベストポスター賞に選出されている). 平成26年度はひとり親家族の協力が得られるように対象を拡大し,本研究結果と比較しながら,ひとり親家族の家族機能の特徴を明らかにする予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は,分析内容を継続比較しながら半構成面接調査を進めていく予定にしていたが,2014年3月までに21家族の協力が得られ,これらが達成されたため,おおむね順調に経過していると評価した.平成24年度は協力施設が2病院であったが,4病院に拡大し,病院に定期的に通い,家族への参加協力を呼びかけた.21家族のうち,ひとり親家族の参加は3家族であった.
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は,平成25年度の調査を継続して半構成面接調査を進めていく予定である.ひとり親家族の参加が少ないため,対象施設をさらに拡大することや,量的研究に重点をおいたミックス法に切り替えることを検討している.なお,研究を開始した当初は,質的研究に重点をおいたミックス法を用いる予定であった.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
おおよそ予定通りに予算を使用し研究を進めたが,次年度使用額が発生した.予算執行期日までに計画的な使用ができなかったためと考える. 次年度使用額は少額であるため,平成26年度使用計画への影響は少ない.平成26年度は国際学会での発表が控えているため,そのための費用,文具類などの消耗品費,論文・図書などの設備備品費が必要と考えられる.
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Research Products
(3 results)