2014 Fiscal Year Annual Research Report
入院中の病児のいるひとり親家族の家族機能と家族支援の構築
Project/Area Number |
24792496
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
平谷 優子 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (60552750)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 家族看護 / 家族機能 / ひとり親家族 / 病児 / 入院 |
Outline of Annual Research Achievements |
入院中の病児のいるひとり親家族の家族機能のありようを明らかにすることを本研究の目的とした.6病院と11児童館の協力を得て,2014年7月から2014年11月の期間に,入院中の病児のいる243家族(対象群),児童館に通う子どものいる1,103家族(比較対照群)(いずれも,回答者は父親もしくは母親)を対象に,家族機能尺度であるFeetham家族機能調査日本語版Ⅰ(FFFS-J)を用いた質問紙調査を実施した.FFFS-Jは3分野25項目(25項目の合計は総得点となる)で構成される自記式質問紙で,家族機能充足度を明らかにできる. 対象群151家族,比較対照群346家族の有効回答が得られ,そのうち,ひとり親家族は,対象群は10家族,比較対象群は22家族であった.ひとり親家族のデータを分析したところ,回答者は全員,母親で,対象群の平均年齢は37歳(26歳から47歳),比較対象群の平均年齢は37歳(30歳から45歳)であった.対象群の病児の疾患は,急性咽頭炎,小児がん,ネフローゼ症候群など多岐にわたっていた.家族機能の総得点に有意差は認められなかった.3分野別にみると,「家族と社会との関係」において,対象群の方が,家族機能充足度が低かった.25項目別にみると,6項目に有意差が認められ,身内からの精神的サポートに関する家族機能充足度は対象群の方が高かった.その他の5項目(余暇や娯楽の時間,子どもが保育所・学校を休むこと,家事をする時間,仕事(家事)を休むこと,日課が邪魔されること)の家族機能充足度は対象群の方が低かった. 入院中の病児のいる家族の方が,「家族と社会との関係」の家族機能が低かった.家族機能が低下する原因として,子どもの入院に伴い,仕事や学業などの家族の社会活動が,これまで通りに遂行できない可能性が考えられるため,看護師は,家族の生活が維持できるように家族支援を行う必要があろう.
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