2012 Fiscal Year Research-status Report
家族役割行動分類の作成と家族支援ツールとしての「役割バランスマップ」の開発
Project/Area Number |
24792497
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
本田 順子 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (50585057)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 家族同心球環境モデル / 家族機能 / 家族看護 / 家族アセスメントツール |
Research Abstract |
本研究は,家族内外の広義の環境をアセスメントするために家族同心球環境モデルの視座から,現代家族の家族機能を規定する家族員の役割行動の内実を明らかにし,それらの分類を新たに作成することを目的としている.今年度は,次年度以降の調査のための準備段階として,国内外の家族の役割に関する文献検討,国内で実施されている生活時間に関する調査についての資料収集を実施した. “家族の役割”をキーワードに国内外の文献を検索し,抽出された文献を分析した結果,論文中に記述されている“家族の役割”の多くは,家族システムユニット全体としての役割を捉えているのではなく,疾患や障がいをもつ家族員の療養管理や介護の役割,育児役割のみに焦点が当てられており,それらの役割負担やストレス,ストレスコーピングについて調査されていた.それらの研究では,家族の役割分担や役割の調整が必要だという内容は考察されているが,看護職者が実際に家族内の役割を調整するような支援についての研究はなかった. 以上より,家族システムユニット全体の役割の状況について看護職者がアセスメントするツールの必要性が確認された.次に,家族員の役割行動について検討するために,生活時間調査(NHK放送文化研究所),社会生活基本調査(総務省統計局),放課後の生活時間調査(Benesse教育研究開発センター)などの国内で実施されている生活時間に関する調査の資料を収集した.それらの調査を時系列で検討し,時代背景に合わせて追加・削除されている項目を明らかにした.さらに以前からの課題であったこどもの生活活動についても項目を追加した役割行動分類案を作成した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度は,国内外の文献検討から新しい役割行動分類案を作成し,あらゆる発達段階(こども期から老年期)にある家族員を対象とした半構成面接調査を実施することで役割行動分類案を洗練する予定であったが,年度の途中に休職者が出たため,教育に関わるエフォートが予想外に多くなり,計画通りに研究を進めるための時間が確保できなかった.したがって,今年度は,国内外の文献検討から新しい役割行動分類案を作成したが,半構成面接調査まで至っていない.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は,今年度文献検討等で作成した新しい役割行動分類案を洗練させるために,あらゆる発達段階(こども期から老年期)にある家族員を対象とした半構成面接調査を実施する.半構成面接調査の結果をうけて修正した役割行動分類を使用して,家族員間の役割行動のバランスと家族機能との関係をみるために質問紙を開発し,大規模な質問紙質問紙調査を実施する予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度は研究計画よりもやや遅れており,新しい役割行動分類案を洗練するための半構成面接調査が実施できなかった.そのため,調査で使用する予定であった国内旅費予算が執行できていないため,研究費の29,315円が余剰となっている.次年度は,半構成面接調査も含め,大規模な質問紙調査を実施するため,印刷料や郵送料,記録メディア,分析のために使用するソフトウエアなどの消耗品に研究費を使う予定である.また,今年度の研究成果を国際学会で発表するために渡米のための旅費を使う予定である.
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