2012 Fiscal Year Research-status Report
染色体障害児のきょうだいに対する障害説明の理論構築に関する研究
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24792501
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
森藤 香奈子 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (70404209)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 染色体異常児 / きょうだいケア / 障害説明 |
Research Abstract |
障害児・者を同胞にもつ健常児・者(以下、きょうだい)に対する同胞の障害説明について、小児病棟における子どもへの病気や地用の説明の技術を応用し、具体的な方法と説明内容を検討することを目的とする。 今年度は、これまで行ってきた調査、研究の情報の整理と情報収集を主に行った。 情報の整理として、染色体異常児の保護者が告知の際にどのような説明や対応を求めていたかについて調査したデータをまとめ、日本周産期・新生児医学会に投稿した(印刷中)。保護者は、わが子がダウン症だと告げられた時から子どもの障害に向き合い、育てていこうと思えるまでを告知ととらえていた。また、子どもの命が優先されるだけでなく、傷ついた親にも着目してほしいと考えていた。きょうだいへの障害説明においても、両親がきょうだいに何を大事に伝えたいと考えているか、きょうだいが何を知りたいのかにきちんと向き合い、進めていく必要がある。ダウン症児のきょうだいへのインタビュー、成人きょうだいの語り(経験の振り返り)と子どもの発達の観点を踏まえて、きょうだいやまわりの子ども達にどのように接していくべきかについて、『ダウン症ハンドブック改訂版(日本科学文化社、2013年3月出版)』にまとめた。 2012年8月に新出生前診断がメディアで話題となり、遺伝教育や生命倫理について考える機会が増えている。本研究の対象となる染色体異常児・者のきょうだいにとっても、この問題に関するニーズも高まると予測される。家族会からの情報収集では、遺伝学の知識だけでなく、より身近な話題である疾患の原因やそれによっておこる生活の障害にどのように向き合っていけばいいのか、一緒に向き合う体制がほしいという内容であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
青年期以降ダウン症者の生活状況についての論文作成が若干遅れているが、情報収集や家族会とのディスカッションなどの計画についてはおおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究協力が得られている家族会とコミュニケーションを密にし、情報共有と支援プログラムの計画・試行を進めていく。 また、データ分析、支援プログラムの計画に関しては研究協力者(小児科医、遺伝専門医、遺伝カウンセラー)に適宜、相談する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1.大学生のきょうだいを対象としたフォーカスグループインタビューを実施し、経験や思いの振り返り、および、将来について今考えることなどについてデータ分析する。質的分析法に関する、学習会への参加やスーパーバイズを受ける。 2.遺伝教育リテラシーに関するディスカッションに参加する(日本周産期新生児医学会) 3.学会発表予定:日本遺伝看護学会 日本人類遺伝学会 4.青年期以降ダウン症者の生活状況に関する論文作成
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