2013 Fiscal Year Research-status Report
妊婦の安全な動作方法指導にむけた転倒の実態と起立・歩行動作戦略の解明
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24792502
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
須永 康代 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教 (00444935)
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Keywords | 妊婦 / 身体部分係数 / バイオメカニクス / 転倒 / 起立-歩行開始動作 |
Research Abstract |
25年度は,24年度に実施した妊婦および未経産女性の身体部分係数(下部体幹部分の質量・質量の体重に対する比・質量中心位置の下部体幹部分長に対する比・質量中心において下部体幹部分を回転させたときの回転半径の部分長に対する比)の計測結果について引き続き検討した. 計測した下部体幹部分の質量の変化の傾向について調べるため,妊娠前の体重から妊娠中の下部体幹部分質量を推定するための回帰分析を行った.その結果,妊娠24-25週および32-33週において,回帰式および回帰係数がp<0.05で有意であり,決定係数はそれぞれ0.618,0.683であり予測精度が高かった.この結果より,下部体幹部分質量は,妊娠前の体格と関連があることが示唆された.しかし,妊娠初期については,体重増加量が比較的少なく,胎児の成長に伴って妊娠中期にかけて体重および下部体幹部分質量の変化量が大きくなるため,値を予測することが困難である. 次に,身体部分係数の算出結果をもとに,動作解析プログラムBody Builderを用いてパラメータ算出のための計算式の作成を行った.さらに,24年度から継続して計測している起立から歩行開始までの一連の動作について,現在,関節角度,質量中心位置・速度,モーメント,床反力などのパラメータを算出し,妊娠時期毎および未経産女性との比較・検討を行っている. 26年度には,妊娠週数の進行に伴う動作様式の変化を捉えることで,転倒リスクの高まる時期や動作様式を明らかにし,安全性の高い動作や転倒リスク軽減のための指導方法について検討を行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していたコントロール群(未経産女性)の起立-歩行動作の計測はすでに行っており、随時対象者を追加募集して計測を継続している。また、妊婦群についても随時計測を行っている状況である。 さらに、24年度に計測した身体部分係数の値を用いて、動作解析プログラミングソフトにて計算式を作成し、現在動作の解析と群間の比較を行っており、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
妊婦群、コントロール群ともに継続して対象者を募集し、随時動作の計測を実施する。また、並行して作成したプログラムを用いて動作の解析を実施し、妊娠中の身体変化に起因する動作様式の変化について検討を行っていく。最終的に、解析結果より、妊娠中の転倒リスクの高まる時期や動作様式を明らかにし,安全・快適な動作や転倒リスク軽減のための指導方法について検討を行う予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究成果に関わる論文を作成するも掲載に至らなかったため,次年度使用額が生じている. 次年度の論文投稿にむけて再度研究成果の見直しとまとめを行い,論文掲載料としての使用を計画している.
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