2012 Fiscal Year Research-status Report
妊娠期のマイナートラブル、QOLをアウトカムとしたセルフケア行動の有効性の検証
Project/Area Number |
24792509
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
植松 紗代 京都府立医科大学, 医学部, 助教 (40610267)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 妊婦 / マイナートラブル / 生活習慣 / セルフケア |
Research Abstract |
【目的】妊婦のマイナートラブルの程度及び頻度を加味した苦痛度から、客観的評価が可能な測定指標の開発とその実態の解明(H24年度)。さらに妊娠中の睡眠、活動などの生活習慣実態の客観的把握が目的である(H24~25年度)。 【方法】妊婦健診を受診し、合併症のない妊婦を対象に、質問紙調査を実施した。そのうちの30人に対しては、再テスト信頼性の検討のため1回目の調査後、1週間の間隔をあけ再度同内容の調査を行った。調査内容は、先行研究を参考に作成したマイナートラブル評価予備尺度である。 【結果】妊婦269名(初産婦163名、経産婦106名)の回答を得た。マイナートラブル評価予備尺度の因子分析を行なったところ、妊娠起因身体症状(3項目)、妊娠起因精神症状(3項目)、体質起因身体症状(4症状)の3因子が抽出された。各因子のCronbachのα係数は0.78、0.64、0.50、再テスト法によるPearson積率相関係数は0.88、0.69、0.77であった。本尺度の信頼性、妥当性が検証され、妊婦が有する複数のマイナートラブル症状を包括的に把握できる評価指標を作成した。本尺度の特徴は、症状の自覚頻度と程度の積を苦痛度とする2側面からの評価ができ、妊婦に及ぼす侵襲の大きさを客観的に測定できる。 次にマイナートラブルの実態を解明するため、分娩回数(初産婦・経産婦)、妊娠時期別(妊娠初・中期、末期)に比較したところ、初経産婦では、妊娠起因精神症状が経産婦で有意に苦痛度が高った。その他妊娠起因精神症状、体質起因身体症状では差はなかった。妊娠時期によるマイナートラブルの差は認められなかったが、妊娠末期に腰痛による苦痛度が増すことが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の到達目標は、妊婦のマイナートラブルの客観的な評価指標の開発であり、平成24~25年は、妊婦のマイナートラブル及び生活習慣実態の解明である。当初の計画通り、平成24年にマイナートラブルを包括的に捉える客観的評価指標を作成し、現在は作成した評価指標を用いマイナートラブルの実態解明と、質問紙と共に睡眠及び活動量を客観的に測定できる機器を使用し、生活習慣把握のための縦断調査を開始している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、妊婦のマイナートラブルと生活習慣の実態を客観的評価指標から縦断的に明らかにし、その関連を検討する。さらに結果から、マイナートラブルの解消を目指した介入案を作成する。 平成26年度は、作成した介入案を妊婦に対し実施し、その効果を検証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
調査に必要な消耗品、交通費及び調査補助員、被験者に対する謝金に使用する。
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Research Products
(3 results)