2013 Fiscal Year Research-status Report
入院している小児の転倒・転落防止プログラム改訂版の作成とその効果の検証
Project/Area Number |
24792526
|
Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
藤田 優一 兵庫医療大学, 看護学部, 講師 (20511075)
|
Keywords | 転倒・転落 / リスクマネジメント / 小児 |
Research Abstract |
入院している小児の転倒・転落防止プログラム第2版を小児専門病院の6病棟と総合病院の小児病棟3病棟および小児と成人の混合病棟1病棟の計10病棟において平成24年10月~平成25年3月に実施した。調査期間中に入院した小児3,501名のうち1,338名(38.2%)の小児に実施しており、転倒・転落率(1,000 patient-days)は2.06から1.53に低下しており(p=0.03)、転倒・転落防止プログラムの効果を検証することができた。 10病棟に勤務する看護師251名を対象にプログラムに対する意見について質問紙調査を行い、103名(41.0%)より回答があった。プログラムの実施により、小児と家族への転倒・転落防止の説明が統一されたという回答が82名(79.6%)であった。また、プログラムの導入により説明が簡単になったという意見が43名(41.7%)であり、プログラム導入について看護師より良好な意見が得られた。 小児用転倒・転落リスクアセスメントツールについては第2版の調査結果をもとにアセスメントツール第3版を作成し、平成25年12月より使用している。アセスメントツール第3版については、危険因子を転倒・転落の発生と有意な関連がみられた項目のみとして厳選した。また、危険因子の配点の重み付けについては1種類のみとしても予測精度に大差がないことがわかったため、アセスメントツール第3版は第2版と比較してかなり簡略化することできた。そのため、当初はパソコンソフトを用いてアセスメントツールを評価できるように電算化していく方向性であったが、その必要性はなくなった。現在は、アセスメントツール第3版の評価者間信頼性(看護師2者の転倒・転落リスクアセスメントツールの評価結果がどの程度一致するか)の調査について倫理審査委員会にて学長承認を受け、平成25年2月より調査を行っている段階である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初は転倒・転落防止プログラム第3版まで実施する予定であったが、第2版の段階ですでに転倒・転落率は有意に低下しており、看護師からのプログラムに対する評価も良好であり、第3版の実施調査を行う必要性はなくなった。 また、当初は平成26年4月~8月にかけて行う予定であった評価者間信頼性の調査も既に実施している。
|
Strategy for Future Research Activity |
評価者間信頼性の調査のデータ収集を行い、看護師2者の転倒・転落リスクアセスメントツールの評価結果がどの程度一致するかの検証作業を行っていく。 また、これまでの研究成果を国内外の学会で発表し、論文の執筆も進めていく。
|
Research Products
(6 results)